乗り心地改善のご相談のあったトヨタ ラウムです。
平成21年式 CBA-NCZ20 1NE-FE 4AT 走行距離 23,000km
使用用途を考慮され、助手席回転機構とBピラーレスのスライドドアを備えた走行距離の短い中古車をご購入されましたが、100km程度の高速道走行でとても疲れ、一般道でも気持ちのよい乗り心地ではないとのこと。
ヴィッツと共用するプラットフォームと基本サスペンション。ヴィッツと比較して200kg程度重量増になるラウムでは劇的な改善は難しいのでしょうか?お客様と相談の結果、ショックアブソーバをKYB New SRスペシャルに交換することにしました。
フロント、リア共、純正装着はMADE IN JAPAN の一流サプライヤTOKICO(現:日立オートモーティブ)製です。
走行距離2万キロ強では、目立つ劣化や機能不全はありません。フロントアッパーマウントのベアリング部はグリース再充填して、ダストシールを新品に交換します。
タイヤ前後ローテーションで、念のためホイールバランスを確認。重量バランスは問題ありませんでしたが、ユニフォミティが不満足でしたのでホイール、タイヤの位相を変えました。
タイヤの上下方向の微振動は、短時間では体感しませんが、長時間では疲労感として現れますから是非手を入れるべき部位でしょう。
いつものように1重力加速度でサスアームの芯出し、アライメントを再調整して試運転します。走行中の撮影にも関わらずブレの無い写真が撮れるほど安定感が増しました。
そして、お客様にお渡し時に同乗いただき、1ランク上のクルマになったようだと嬉しい感想を頂戴しました。
僕は足回りのことで何度もお伝えしてますが、金属バネ系を強化する動きにくい足は、決して安定をもたらしません。
積極的に動作させ、その動作をいかにすばやく元の状態に収束させるかが重要です。そのためには断片的なspecificationでは性能を現せない、良質のショックアブソーバの装着が決め手でしょう。
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