前回記事『アルファロメオの旋律のために《その2》(アルファ147 GF-937AB タイミングベルト交換)』の続きです。
毎回大変遠方からご来店いただいていますアルファ147のお客様から、タイミングベルトと関連する部品交換を承りました。
平成14年式 GF-937AB 2.0TS selespeed 走行距離 105,000km
タイミングベルト交換作業を終え、ベルトの馴染みを与えながら徐々に回転を上げていきます。昨年末に冷間時クラッチジャダーが出ていましたが、その後クランクポジションセンサーのトラブルで交換を実施されてから少し緩和されたとのこと。
気温の上昇も関係があるかもしれませんが、確かに冷間時のクラッチ接続は良くなっています。試運転を繰り返すと、ダウンシフト時の回転合致に少し違和感がありましたのでmultiecuscanでデータモニターすることにしました。
セレスピードのECUに接続
Clutch pressure plate travelは、ある情報によると28.000mm~28.500mmが基準範囲とのこと。調整前は基準を0.228mm上回っていました。
基準からのズレは僅かですが、調整します。クラッチアクチュエータはインテークダクトの下方に配置されています。
ブーツ内のロックナットを緩め、レリーズレバーに近い19mmの六角をまわして調整します。
クラッチの磨耗とともに値が大きくなる傾向にあるので、28.100未満に調整したいと思います。
試運転してから再度データを確認すると、基準より小さくなっています。
クラッチ断絶しにくい方向ですので、調整直後と試運転後の誤差を見越して再調整。
試運転後、目標値に調整できました。
最後にラジエータのサブタンクを新調し、完成としました。
タイミングベルト、スパークプラグ、エンジンオイル、クラッチ調整と全てが良くなる方向に整備しました。お渡し後のご感想をお待ちしております。この度はたくさんの作業ご用命、誠にありがとうございました。
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HIRO says
丁寧な作業、ありがとうございました。
帰り道で快適エンジンを堪能しました。
感想ですが、まず、2000回転付近の微妙なパワーダウンがなくなり、リニアに吹け上がるようになり、4000回転以上のスムーズさがより一層気持ちの良い感じとなりました。また音ですが、アイドリング音が落ち着いた音になったにも関わらず、4000回転以上が吸気音の強調された澄んだ快音となり、ついアクセルを踏み込んでしまいます。その割には燃費が改善されているようです。
セレの繋がりも良好で、ジャダーは無くなりました。シフトダウンもタイムラグなくピッタリ決まるようになりました。
足回りに引き続き、エンジンも本来のコンディションを手に入れたように思います。また、不安箇所の点検も頂き、不安を払拭することができました。ありがとうございました。このコンディションを維持していきたいと思います。次回の交換の際もよろしくお願いいたします。
P.S.バッテリーはその後、特に問題はありません。モニター電圧も正常値を保っています。時間のある時に、暗電流のチェックとリレー・ヒューズの点検をしていこうと考えています。
たけし says
HIROさん
今回も大変遠方よりご来店誠にありがとうございました。
無事に到着されたようで安心しました。
今回の作業は、タイミングベルト交換に伴うバルブタイミングの適正化、スパークプラグ・プラグコード等点火系のリフレッシュ、良質エンジンオイルへの交換など、どれもエンジンの調子が良くなる方向で整備しました。その全てが好調に寄与していると思います。
アルファロメオのエンジンは、納得のいく調整ができるまでに多大な時間と労力を費やしますが、決まった結果が伴ないます。
おっしゃるように吸気音が違いますね。
バッテリーのその後、お知らせありがとうございます。漏電の可能性が否定できませんので、今後の経過をよくご観察ください。
今後ともよろしくお願いします。