タイミングベルト交換と、関連する部品交換を承りましたアルファ147のお客様は、毎回大変遠方からご来店いただいています。
平成14年式 GF-937AB 2.0TS selespeed 走行距離 105,000km
エンジンオイル消費があると伺っていました。
抜き取ったエンジンオイルはわずか1.3リットル。オイルフィルタを除く容量が約4リットルですから半分以上を消費しています。ツインスパークエンジンは、特に高速道多用でこのような兆候を見かけます。消費抑制を期待して、今回はMOTUL NISMO RB26DETT 10W-60を注入しました。
激しいオイル消費を物語るスパークプラグは、アフターマーケット用デンソー製。比較的短寿命のイリジウムプラグが装着されていました。
お客様がご指定されたNGKの超寿命タイプに交換します。
バランサベルトとタイミングベルトが複雑に絡む2.0ツインスパークのタイミングシステムは、時間を掛けた入念な調律が必要です。
装着されていたタイミングベルトはエキゾーストカムに若干の遅れがありました。
インテーク側は専用の特殊工具にぴったりでした。
タイミングベルトのテンショナやアイドラにはボールベアリングが使用されています。アルファロメオなど欧州車のタイミングベルト交換の頻度が高いのはベルトではなく、ベアリングの耐久が短いからかもしれません。装着されていた3つのベアリングのうち、MADE IN JAPAN のNTN製と KOYO製は問題ありませんでしたが、残る一つは内部のグリースが飛散していました。
エキゾーストカムスプロケットの向こう側に配置されるカムポジションセンサも同時に交換します。
もしセンサが故障したらタイミングベルト離脱の必要がある上、配線はインテークカムスプロケットの奥からパワーステアリングポンプ下へ、そして、インテークマニホールドの下を沿いながら、著しく遠回りして再度パワーステアリングポンプの上部へ。フェーズバリエータソレノイド横で接続されているのです。
配線をクランプしているプラスチックパーツは脆く、しかも指先が届きません。センサーの配置に整備性を全く考慮していないように感じるのは、このセンサーに限ったことではありませんが、国産車が親切設計過ぎるのかもしれませんね。
次回『アルファロメオの旋律のために《その2》(アルファ147 GF-937AB タイミングベルト交換)』に続く
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