あなたは、新品タイヤの側面にある2色のペイントマークをご存知でしょうか?
まず、赤いペイントマークがあります。RFVマークと呼ばれるもので、ラジアルフォースヴァリエーションの略で、もっとも剛性が高く、たわみの少ない位置です。そして、純正ホイールにペイントされている青や白のマークはホイール半径が最も小さいポイント(ローポイント)です。
RFVマークとローポイントを合わせることで、荷重がかかる場合に最も滑らかにタイヤホイールを回転させる狙いがあります。
一方、黄色いマークは「軽点」と言われる円周上で軽い位置を示しています。
エアバルブの重量相殺を目的に、アフターマーケットでエアバルブの位置と軽点を合わせて組む慣習があるのはご存知の方も多いことと思います。重量のアンバランスもタイヤ&ホイールのノンユニフォミティ(不均一)と捉えて差し支えないと思います。
ただ、新車装着タイヤでは、RFVマーク重視が多くて、軽点は必ずしもエアバルブの位置ではありません。アフターマーケットのタイヤとホイールは、組み付け後、一般的にホイールバランサで重量のアンバランスを計測・調整しますから、軽点にこだわらずバランスウエイト最小位置で組み付けることも大切なことだと考えています。
タイヤはとても大切な役割の部品であるとともに、大変高価な品物です。程度の差こそあるものの、形状的、重量的、そして剛性的ノンユニフォミティ(不均一)がタイヤには混在しています。これらを考えながら組み上げる職人的な技能はもちろん必要です。
しかし、タイヤメーカーが指定する方法で組んだとき、ユニフォミティ(均一性)に優れた仕上がりになるような製品が市場に出るよう、製造開発、そして厳格な品質管理がされるべきだと思います(海外メーカー製で品質に疑問のあるタイヤを目にすることが多いからです)。そして、その標準化への努力を強く実感するタイヤメーカーは、今のところ世界でただ一社しかありません。