走行距離9万キロに達した スバル レガシィのショックアブソーバ交換を決断された理由は、年末年始の長距離走行を経て、以前に増して路面の凹凸を強くお感じになられたからだそうです。
平成11年式 GF-BH5 EJ20 4AT 走行距離 90,000km
自動車の乗り心地は、タイヤとショックアブソーバでほとんど決定されます。路面との唯一の接点であるタイヤ、車体の姿勢安定に大きく寄与するショックアブソーバ。どちらが機能的に満足しなくなっても、質の高い乗り心地は得られないでしょう。
それほど重要なパーツですから、選定から組み付けまで手抜かりなく丁寧に行う必要があります。破格すぎるタイヤ選択や、コイルスプリングの硬さ変更、それに伴う車高変更などは第一に避けなければいけません。
約半年前に、こちらのレガシィのオーナー様には、良質タイヤを新調いただき、タイヤの良否が乗り心地や操作性に与える影響をご体感いただきました。そして今回、以前からお勧めしていたショックアブソーバの交換をご依頼いただきました。長期間のカーライフを少しでも早く快適な状態へ移行させることが何より有意義で価値のあることだとのお考えに深く共感いたします。ご理解に心より感謝申し上げます。
一般に、自動車は消耗部品の組み合わせと考え、それらを使い切ることに主眼を置きがちです。今後を共にする期間が曖昧で、極力我慢と倹約… そんな快適とは程遠い自動車と過ごすより、適切な時期に適切な処置を施した自動車で過ごす快適な毎日は、例えその後、その自動車と短かい付き合いになったとしても、豊かな気持ちを享受できるに違いありません。
今回のチョイスはお客様のご希望でKYB製 New SRスペシャル。純正比で数割高めに設定された減衰力は、封入ガスの反発力も相応に高い印象で、重い車体をしっかりと支えてくれます。余分な動きが抑制されますので、タイヤの偏磨耗や、ブレーキパッドの磨耗まで緩和されるのは余り知られていないことでしょう。
取り外した9万キロ走破したショックアブソーバは、完全に封入ガスが抜けていて、指で簡単に縮まるピストンロッドは縮まったまま戻っては来ませんでした。
対して、新品のKYB New SRスペシャルのピストンロッドは、体重を掛けないと縮まない硬さで、放っておけば自然に伸びきります。
今回は無数のひび割れが確認できたブリヂストン製アッパーマウントも同時交換することにしました。サスペンションの作動極初期に、劣化したアッパーマウントで力が逃げてしまっては、新品のショックアブソーバを組み込んだ効果が半減するからです。
組みあがりが大変楽しみになってきました。
次回『ショックアブソーバ交換で快適なカーライフを《完成編》(レガシィ GF-BH5 乗り心地改善)』に続く。
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