カテゴリ: スズキ

オイル消費が激しいスズキ キャリィの修理 (GD-DA52T シリンダヘッドオーバーホール 最終回)

前回記事『オイル消費が激しいスズキ キャリィの修理 (GD-DA52T シリンダヘッドオーバーホール その2)』の続きです。

平成13年式 GD-DA52T F6A 5MT 走行距離 96,000km


車載状態のシリンダブロックは、取り付け面を清掃。

綺麗に組みあがったシリンダヘッドに、新品のヘッドガスケットを装着してシリンダブロックに結合します。

ヘッドボルトの締結手順はサービスマニュアルに従いました。2度に分けて規定トルクの9割程度で締め付けた後、一度全てのヘッドボルトの締結を解く指示があります。面ひずみを最小に抑える手段なのでしょう。

排気マニホールドに作り込まれたM6の雌ネジは、遮熱板取り付けのためのものですが、かじり防止のために一度タップを通すべきです。

クランクシャフトフロント側のオイルシールは、今回の機会に新品を装着します。

そして、タイミングベルト装着後の一番大切な調整、バルブクリアランスです。
基準下限値 0.13mmのシクネスゲージを所定の位置に挿入し、挿入抵抗を触感しながら適正な調整を心掛けます。

そしてクランクプーリーを規定トルクで締め付け、

補機類を全て装着し、油脂液体類を注入して、2日ぶりに火が入ったエンジンは、各部清掃調整で軽快そのものです。座席下のエンジンルームからは、真新しいガスケット特有の臭いが熱気と共に上昇し、しばらく後に水温もアイドリングも安定しました。

手順に従うだけで、難なく組み立てることができる国産工業製品の超高品質。アイドリングを静かに続けるF6Aを「従順」だと感じながら眺めていましたが、それは開発に携わった多くの方々の向上心、探究心、そして責任感であり、その勤勉さの歴史なのだと思います。

《関連記事》
オイル消費が激しいスズキ キャリィの修理(GD-DA52T シリンダヘッドオーバーホール)
オイル消費が激しいスズキ キャリィの修理 (GD-DA52T シリンダヘッドオーバーホール その2)

Published by
ITS