24ヶ月点検と継続検査代行(車検整備)でお預かりしております日産 デュアリスです。
水温計が簡素すぎて不安を覚える自動車が多い中、液晶の細かい段階表示がされているのはとてもうれしい配慮です。運転中の安心感がまるで違うと思います。
平成22年式 DBA-KNJ10 MR20DE CVT 走行距離 43,000km
前回の車検時には無かったハンドル周りの装備は、お客様ご自身が手配され、装着されたとのことです。現在はWeb上にさまざまな作業事例が公開されていますので、作業要領を手に入れるのは比較的簡単です。僕もその例に漏れず、国内外問わず大変参考にしています。
エンジンルームまで綺麗に清掃され、持ち主様の愛情が感じられる1台です。
今回、エンジンオイルは100%化学合成油 MOTUL 8100 X-cess 5W-40をご指定いただきました。
MOTUL 最高峰は言わずと知れたエステル系ベースオイルの300Vです。オイルも自動車部品と位置づける300Vは、市販オイルでありながらそのままGTレースに使用される高性能です。対して8100は、同じ100%化学合成油でもベースオイルにポリαオレフィンを使用していて、エステル系で懸念される加水分解が起こらず、長期安定して化学合成油特有のフィーリングが楽しめます。
さて、デュアリスはすれ違い用前照灯にHIDが使用されていました。明瞭なカットオフラインを描く配光特性は調整が非常に容易で、車検コースでの計測結果も、自社テスターとほとんど狂いがありませんでした。
車検コースにいらっしゃいます自動車検査独立行政法人の検査官の皆様には、いつも計測結果を閲覧させていただいたり、計測時の詳細をいろいろ教えていただき大変感謝しております。
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左灯:左方2.2cm(○) 下方6.4cm(○)
右灯:左右0.0cm(○) 下方5.9cm(○)
自社ヘッドライトテスターの調整値は、左右方向0cm、下方6cmに統一しています。
合格範囲は左右にそれぞれ27cm、下方2cm~15cmの範囲です(いずれも車両前方10mの照射位置での計測値)。
オートフレンズ says
こんにちは、毎回の詳細なデータ参考になります。
私も新車ロービーム測定値を参考にテスターの基準設定しました。
当方、イヤサカ発行のテスター取扱説明書通りですと・・・
テスターの調整値は左右方向0cm、下方10cmとなりますが、
試験的にこれでH24年式のヴィッツで検査を受けてみます。
また、車種にもよるのでしょうが・・・
光度64(hcd)以上の確保も考慮すると下方6cmを目安がいいでしょうか?
>合格範囲は左右にそれぞれ27cm、下方2cm~15cmの範囲です。
私も勉強不足で判らないことばかりですみません・・・
取説では左右18cmとありますが、基準緩和(改正)されているんですね・・・
たけし says
オートフレンズさん
いつもありがとうございます。
連日、同業の方の参考になればとデータ収集しております。お役に立てているようでしたら何よりです。
さて、僕が以前にロービーム計測の独自検証をしていた平成19年当時は左右18cmが合格範囲でした。その翌年平成20年2月1日付けで以下の改正がありました。
審査事務規程の第44次改正
http://www.navi.go.jp/release/20080201-1.pdf
走行用前照灯(ハイビーム)の拡大した合格範囲の根拠は、すれ違い用前照灯を合格範囲中心値にしたときのハイビームの照射位置をいくつかのヘッドライトで検証した結果と聞きました。
すなわち、ロービームを主体に調整していると思われるメーカーラインオフの状態で、ハイビーム計測をした場合に合格範囲に収める配慮のようです。
この改正があってからは、検査コースでのヘッドライト不合格が目に見えて減った記憶があります。
平成19年当時、ロービーム計測は現在よりもさらに受検者が少なく、基準も厳しく、さらに僕の経験も少なかったので2~3割の不合格でした。
現在は、検査コースの機器の計測精度の向上、基準の緩和などもあって、以前ほどの不合格にはなりませんが、自社テスター調整値と検査コース計測値の大きな差があることに変わりはありません。
僕が下方6cmに調整しているのは、下方2~15cmの中心6.5cmを意識し、自社テスターの調整が0.5cm単位が難しいため6cm丁度としています。
ロービームの光度測定点は、左方23cm、下方11cmの場所と規定されていますが、不足している場合、京都の検査官は付近のより高い光度がないか手動で計測する配慮をしてくださる時があります。
このロービーム光度の測定点についても議論、検討の余地がありそうです。
今後もしばらくデータや、気が付いたことなど掲載する予定ですので、お気軽にコメントいただけると嬉しいです。
オートフレンズ says
走行用前照灯(ハイビーム)の拡大された合格範囲の根拠、
なるほど、なるほど~ちゃんとした理由があったわけですね。
近頃はHIDのみならずLEDといった新光源もありますから、
最新のヘッドライト構造に審査規定が追いついていなかったんですね。
さてヴィッツのヘッドは斜めに成型された異形ヘッドだからでしょうか、
合格の基準範囲ではありますが、右側の光度がやや低く感じられたので、
こちらのコメントを頂いたあと、再度下方6cmに調整してみました・・・
そして、本日小牧検査場にて継続検査を受けてきましたが一発合格でした!
夜間、実際の照射範囲を目視で確認すると、やはりロービームでの検査が実用的だと思いました。
次回は軽自動車、H22年式のダイハツタントで試してみますが、
小牧軽検査協会のコースではマルチテスターのみ、すれ違い計測が可能で、
1コースは選択スイッチがなくまだロービーム対応になっていないようです・・・
たけし says
オートフレンズさん
ロービーム検査合格おめでとうございます!
遠く離れた検査場で受検する緊張感は経験した人しかわからないと思います。
ダイハツは比較的調整しやすいヘッドライトですから、大丈夫だと思います。もし可能でしたら検査場での計測値も教えてもらってください。
京都の検査官は普通車も軽自動車もとても親切で、メモで手渡ししてくださる方もいらっしゃいます。
ご報告を楽しみにしております。
フレンズ says
本日小牧軽検査協会にて継続検査に行ってきました。
合格の計測結果を訊ねたところ・・・
右 下3.2cm 右5.6cm 光度109hcd
左 下7.9cm 右5.1cm 光度198hcd
このような計測結果でした。
左右、右にズレているのはきっちり正対が出てないようです。
原因はなんとなく判っているので次回に対処したいと思います。
あと疑問なのは検査コースで車輌が路面に接地している条件、
例えばマルチテスターでのローラーの窪みや乗車時の傾斜角度、
特にキャブオーバーの軽トラックなどはズレが出やすいのでしょうか?
また、ヴィッツでもそうだったのですが、右側の光度がやや低いのは、
左側通行用のヘッドライトの配光特性上、仕方ないのでしょうかね?
フレンズ says
連続コメントで失礼します・・
再度、自社テスターにて調整(修正)してみました。
実は右側は元々エルボー点の立ち上がりが不鮮明でしたが、
正対の対処と数値結果から勘案してベストの位置になりました。
また、右の光度170hcd、左の光度198hcdとなり左右の光度差は詰まりました・・・
これらを踏まえて次回の調整と検査に臨みたいと思います。
ちなみに小牧軽検査協会の検査官も「ロービームの対応だね・・」と快く数値の回答して貰えました。
たけし says
オートフレンズさん
詳細な情報提供に感謝いたします。
ヴィッツの検査場での計測結果、誤差要因の大変多い計測ですから大変良好なものではないでしょうか。
光度については最高光度点を測るものではなく、測定場所を決められているものですから、エルボー点の測定差が光度の差に現れやすいのかもしれません。
今後とも情報交換にご協力お願いします。