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ホーンが鳴らない 三菱 ミニカの修理(GF-H42A)

ホーンが鳴りっぱなしになるときがあるとのことで、お持込いただいたホーンパッドを交換した三菱ミニカ。参考記事:ホーンが鳴りっぱなしになる 三菱 ミニカ(H42A)

鳴りっぱなしの不調は解消したものの、辻褄の合わない状況が散見し、何だかすっきりしないままお帰りいただきましたが、
翌日、「出先でホーン使用しようとしたら鳴らないみたいです」とお客様から連絡が入りました…

平成11年式 GF-H42A 3G83 走行距離 64,000km


鳴りっぱなしになる不具合はホーンパッド内部の平面接点の不調であったことは間違いなさそうですが、どうやら全く鳴らなくなる不具合も併発していたようです。そして再度お客様にご足労いただき、鳴らない状況を詳細に確認しようとホーンパッドに手を触れると、正常にホーンが鳴るのです。

リレーの接点が焼き付き気味になっているのでしょうか?お客様からもご指摘受けましたが、リレー接点はそんなに頼りない電子部品ではありませんから可能性は低そうです。ご来店まで鳴らなくて、入庫直後に正常復帰…千本通りから入庫するときに大きくハンドルを操作しますので、ハンドル操作を激しくしてみたところ…

全く鳴らなくなる状況と、それが復帰する状態が再現できました。

ハンドルの奥にはスパイラルケーブル(機械式時計のゼンマイに形状が似ていることからクロックスプリングと三菱は呼ぶようです)が配置されています。スパイラルケーブルは、帯状で柔軟性のある長い平電線が一定方向に巻かれて格納されているもので、ホーン配線の他、SRSエアバッグインフレータへの配線を兼ねています。その全長は約4メートルにも及びます。
(SRSエアバッグが無い頃のホーン配線は摺動接点でした。エアバッグインフレータへ至る配線が摺動接点だと、肝心の衝突時に導通が確保できない場合が想定されるのでしょうか?何か不都合があるものと察します。)

平電線の末端の片方は車両側、もう片方はハンドル側に固定されています。

4メートルもある全長をゼンマイのように余裕を持たせて巻かれてあるため、左右にハンドルをいっぱいまで回しても突っ張ったり、弛んだりすることがありません。

そして予想通り、ハンドルに固定されている側の平電線を分解点検すると、無理がかかって何度も屈曲していた箇所が軽い力で千切れてしまいました。この状況では、程なくしてエアバッグインフレータへの導通も絶たれ、SRSの警告灯も表示していたかもしれません。

スパイラルケーブルを新品に交換し、症状は完治しました。お客様には原因探求や作業の過程をご覧いただき、ご理解いただきましたことを心より感謝申し上げます。

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