前回記事『セレスピートの不調 その2(アルファ156GTAワゴン GH-932BXB)』の続きです。
平成16年式 GH-932BXB V6 3.2 Selespeed 走行距離 100,000km
セレスピードは、運転者の代わりにマニュアルトランスミッションの操作をするロボット変速機です。クラッチの断続操作もその機構に含まれますから一般的なオートマチックと同じ2ペダル。
不調時の症状は、アイドリングで停車中、ガタガタと車体が震えた後、ガツンと衝撃が加わりエンストするというもの。クラッチを切っておかないといけないときに、誤作動してクラッチを接続してしまうようです。
ガタガタと車体が震えているときは、クラッチの断続を忙しなく繰り返しているような印象で、クラッチ操作にかかわる電線にシールド線が使われていたのを思い出し、外来ノイズの影響を受けているとも推察できます。
実行して悪い操作ではないのでmultiecuscanでクラッチの補正を行ってみることにしました。
multiecuscanという有償のソフトウエアは、今まで困難だったフィアットグループの電子制御システムにアプローチできるソフトです。たしかリリースは2009年だったと思います。
リリース以前、電子制御システムに不調があるとディーラー機エグザミナか高価な汎用機しか頼りがなかったのですが、世界には奇特な方がいらっしゃるものです。とてもすばらしい機能を有した外部診断ソフトを全世界に向けて公開されました。
もちろん、ディーラー機と比較すると機能に制限はあります。しかし、これがあるのとないのとでは大違い。今まで数々のヒントを与えてくれた秀逸なソフトウエアです。
ノートパソコンと自動車とのインターフェイスは市販のものを使用します。USBに差し込む簡単なものです。
まずセレスピードのコンピュータに接続します。
空白がある情報が気がかりですが先に進みます。
調整(Adjustment)タブから Clutch Self-Calibration メニューを選んで実行します。
ところが画面がフリーズしてしまい、最終的には COMPLETED の文字は出るものの Status:UNKNOWN でクラッチ調整に失敗している様子。何度試しても同じ結果。
データモニターの GearBox/Clutch Self-Calibration の状態も Not performed となっています。
過去に2.0TSのselespeedのクラッチ調整を行った際、成功しているとここは Correct と表示されていました。multiecuscanのフォーラムにも約2年前同じことでお悩みの方の投稿がありました。解決されたかどうかは不明です。
今回のセレスピードの不調と関係があるのかは不明ですが、一筋縄ではいかないようです…
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