「サードギアから上のギアで走行中、フロアー下からものすごい異音がするようになった。ミッションがおかしいみたい。」
と三菱タウンボックスのお客様がいらっしゃいました。、
平成11年式 GF-U61W 3G83 5MT 走行距離 140,000km
異音の確認のため走行しますと、全てのギアで異音は発生していました。音量が大きくなるのがサードギアから上のギアでしたから誤解があったようです。音の出方と癖のある異音は間違いなくリアディファレンシャルからです。
リアのリジッドアクスルの中央に位置するディファレンシャルギアボックス。
オイルの残量と汚れを確認しました。
規定量の半分程度まで油量が低下していたギアオイルは、黒ねずみ色に変色していて内部ギアの著しい磨耗を示していました。中古で入手したディファレンシャルギアキャリアASSYを手早く組替えます。
痛んでいたリングギアは端にバリが出来るほど磨耗が進んでいました。
そして試運転してオイル漏れ等を確認します。
ところがデフキャリアの接合面とは違う場所からオイルがにじんでいます。防錆塗装を剥離して確認しますと写真中央の部分に亀裂がある模様です。
平面で停止すると油面より上に位置している亀裂ですので、走行中に徐々ににじむ程度。
しかし、走行距離が比較的多い車両です。ギアオイル量が著しく低下していた理由のようです。そして、スパイラルになっている摩擦の大きいハイポイドギアが潤滑不良を起こす原因となったようです。溶接等で亀裂を埋めて処置しました。
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