先月、タイヤ交換のご用命で初めてご来店いただきました。当初、タイヤ交換の理由をうかがっていませんでしたが、タイヤ交換後の試運転で発進時のホイールスピンと、乗り心地の悪さを感じ、ショックアブソーバ(特にリア側)の機能低下をお伝えしたところ、旧装着のタイヤのせいだと思っていらっしゃったとのこと。
平成12年式 GF-EK9 B16B 5MT 走行距離 100,000km
旧装着タイヤは、経年劣化でゴム質が硬化し、乗り心地悪化の原因のひとつには間違いなく、新品タイヤに交換すると改善効果はもちろん得られるでしょう。
ただ、このTYPE Rという特別車、ボディー剛性が非常に高く、大きな開口のハッチゲートが存在することを忘れてしまうような「塊感」があります。相応の補強を講じているのだと察します。この高い剛性のボディーは、落ち着かない4本の足の上に乗ってなかなか動揺が治まらず、ショックアブソーバの機能低下を際立たせます。
今回のチョイスはホンダ純正(ショーワ製)。
取り外した新旧ショックを比較すると、ショックロッドを縮める手応えと、封入ガスの反発で戻る速度に大きな差がありました(上:新品、下:旧装着品)。これではレートの高いコイルスプリングの動きを制止できないでしょう。
車高が少し上昇し、姿勢が安定しました。
暫定セッティングで試運転。
そして走り出すと、あらゆる路面からの入力が収束し、ボディー剛性の高さが心地よさとなります。このまま競技に出られそうなカッチリ感。ショック交換って最高!!
ホンダはサスペンションアームの数が多く、作動中心で落ち着かせる処置に少し時間が掛かります。試運転を繰り返して仕上げますので完成までもう少しお待ちください。
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