車齢14年、走行距離10万キロ、現状渡しでお客様がご購入されたアルファロメオスパイダーです。
平成11年式 GF-916S2B 2.0TS 5MT 走行距離94,000km
エンジンは華麗なアルファサウンドを奏で好調そのもの。また、シフトするたびにギア鳴りしていたローギアのシンクロメッシュはスバル純正ギアオイル(エクストラS 75W-90 GL-5)で完全に違和感がなくなりました。
サイドタンクがパンクしていたラジエータは、お客様がご自身で輸入されたアルミ製ラジエータに換装。
さて、以前の試運転のときにも気になっていましたが、時々アイドリングが上昇するとのこと。徐々にアイドリング上昇とアイドリング不安定の頻度が増してきたようですので、multiecuscanで診断することにしましょう。
まず、エンジンECUに関連のあるフォルトはありませんでした。
このデータで、アクセルペダルを踏んでいないにも関わらず「Out of idle」の表記。アクセルをちょんちょんと踏みますと…
このように「idle」の状態になります。アクセル操作でこのように不安定になるのはスロットルバルブ同軸に配置されるアイドルアクチュエータ内にあるアイドル接点の不良の可能性が高いといえます。国産車ではバイパスポートに流れる空気の流量を変化させるものが主流ですが、輸入車はこのように直接スロットルバタフライをモーター駆動させるタイプがあります。
このアイドルアクチュエータ、部品価格は4万円を越えます。お客様のご判断&お取寄せでリサイクルパーツを使用することにしました。
動作良好品とのことでお取り寄せされたアクチュエータに換装しましたところ、アイドリングはPC表記で800~840rpmで安定し、問題なさそうで一安心。不良品だったアクチュエータを分解しましたが、目視で悪い部分は判別できませんでした。
電子制御系の部品は一点一点が高価です。的確な診断と賢い部品調達が上手にアルファロメオとお付き合いする秘訣かもしれません。
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