プジョー307CCです。メールでATF交換の依頼がございました。お客様からの情報によりますと、いろいろと問題の多いオートマチックで、ATF交換はディーラーでも実施しないところがあるとのこと。
平成17年式 GH-A307CC RFN AL4 走行距離50,000km
僕にとってはじめての作業で、とりわけデリケートなATに手を入れるのはとても勇気が要ります。純正ATFがあまり良くないとすれば、注入するATFの選定も大変困難です。
お客様と相談し、今回のATF交換作業後に起こるATの不具合に関して一切の補償ができないこと。また、ATF選定と手配はお客様ご自身で行っていただくことをお約束いただき作業を実施することにしました。
ドレンボルトと、その中のフルードレベル調整用の樹脂チューブを取り去り、ATFを排出。
ドレンボルト、フィラーボルトは共に凹の8mmスクエアの特殊ボルトです。こちらに使用する工具、棚の奥に置いたままになっていましたが、初めて使う機会に恵まれました。
↓排出したATFです。
こんなに汚れたATF初めて見ました…金属粉が大量に混入し、ATFがネズミ色になっています。そして、ほとんどのAT車に装着されているオイルクーラーが無いということに違和感を覚えます。過熱でATFが早期劣化し、潤滑性能が極端に低下したのでしょうか?これではこのATが早期故障となるのも納得できます。
トランスミッション上部、入り組んだ場所にあるフィラーに漏斗を差込み、排出量と同量のATFを注入。
↓今回お客様がご用意くださいましたのはこちらのATFです。
これで約半分のATFが入れ替わったことになります。しばらく(1週間程度)走行いただき、2回目、そして同様に3回目を実施し、段階的に新油に交換することとしました。早速お客様に試運転いただき、1速→2速の変速ショックがほとんどなくなったとのことで、交換直後から良い結果が出たようです。
ATF交換がプジョーATの抱える問題の根本解決にはなりませんが、交換サイクルと適切なフルード選択で延命することは出来るようです。
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ocha says
こんにちわ。仏車はフランスの石畳道や、パリのアップ
ダウンの道に合わせてセッティングしてあるので、
日本にはかなり違和感があると思います。ただ、
オートマチックオイルにはD3規格でいいそうです。ただし、交換サイクルは早めの方がいいと思います。
たけし says
ochaさん、こんばんは。
貴重な情報とアドバイスありがとうございます。プジョーに手を入れるのは約6年ぶりです。これだけの金属粉が出ると1万キロ毎の交換サイクルでいいかもしれませんね。
K.Y says
このたびは手間のかかる作業ありがとうございました。
おかげさまで2回目の交換作業後本来のAL4トランスミッションのフィーリングが戻りました。
昨日600kmほど高速走ってきましたが以前とは比べものにならないほどスムーズなギアのつながりでした。
たけし says
K.Yさん
こちらこそ、いろいろ面倒なわがまま聞いていただき感謝しております。
2回目交換以降、調子が良いようで何よりです。3回目のご来店心よりお待ちしております。
S・T says
ATF及びATクラッチに関して面白いHPを発見しました。。。
コンタミ(ATクラッチ板の磨耗粉?)チェックによるAT診断法らしいです。
近場に実施されてる修理屋さんがないか・・・
調べましたが見つからず><。
いえ、導入して欲しいなんて言うつもりなんて・・・(ほんのちょっとは・・・w)
S・T says
あら。。。
HPアドレスが。。。
http://blogs.yahoo.co.jp/taku_masa61627/MYBLOG/yblog.html?m=lc&p=1
再掲しときますね^^;
たけし says
S・Tさん
情報提供ありがとうございます。
コンタミネーションの発生はすなわち異常摩耗を表していて、中古ミッションを搭載するときのスクリーニングとして使えそうですね。
お知らせいただいたリンク先で使用されているフィルタは高価な理化学機器ですが、何か別のもので代用できそうな気もします。