レガシィの点検整備の作業依頼を承りました。ユーザー車検をしてきたので、24ヶ月点検とその他必要な整備をして欲しいとのことです。
平成14年式 TA-BH5 走行距離51,000km
こちらのオーナー様はご自身のお車に大変関心をお持ちで、車検というシステムを深く理解されている数少ないお客様です。
理解が不十分だと意外に難解な「車検」システム。この場で、僕の目線から車検というものを系統立てて見てみようと思います。そしていくつかのご提案を差し上げようと思います。
2年に一度の、高額な出費を伴う憂鬱なものというイメージをもたれている方も多いでしょう。また、車がすっかりリフレッシュされて新車とまではいかないまでもトラブルフリーの車になって帰ってくるようなイメージをもっていらっしゃる方も少なくないかもしれません。
一般的に自動車整備業者に車検を依頼した場合、
の3項目を一度に依頼しています。これらをひとくくりに「車検」と称しています。各項目、詳しくは道路運送車両法参照。
道路運送車両法には、点検、整備、車検(継続検査)は使用者がする義務があると明記されています。
あまり知られていないことですが、本来は、車検証に記載されている使用者が全てしなければなりません。(ユーザー(使用者)が車検をするよう義務づけられているのに「ユーザー車検」なんて、よく考えるとおかしな言葉ですよね)でも、実際は一般の方が自動車の保守管理をするのは技術的に大変困難で、そのほとんどをプロに委ねるのが一般的になっています。
それを踏まえて今回の依頼を振り返ります。オーナー様は③の車検(継続検査)は法律に則って使用者であるご自身で受けてこられました。
車検(継続検査)を一度でも受検するとよくわかるのですが、検査の項目はすごく限られていて保安基準に適合さえしていればあっという間(10分程度)に終了です。
受検直後にエンジンが壊れようがブレーキが効かなくなろうが、受検時点で適合していれば車検証の有効期間が2年与えられるのです。継続検査は法律で決められたいわば「関門」ですから、無事車検に合格して、車検証の有効期間が2年与えられても、検査後2年間車の調子を保証するものではありません。
そこでレガシィのオーナー様は、今後の調子を保つための①点検や②整備はご自身では困難だと判断され、技術と設備のあるプロにお任せになられました。このようなご理解のある依頼は僕は大歓迎です。
運輸支局へ出向き、継続検査を受けることは、ホントはプロの整備士でなくてもできることなんです(平日に半日程度時間を作る必要はあります)。僕は同じ時間を使うなら、プロの整備士でしかできない仕事のために使いたいって、いつも運輸支局の往復時に思ってしまいます。
次回『ユーザー車検のススメ(その2)』に続く。