トヨタ ヴィッツです。毎日通勤に使用、定期的な点検を入念に行っている車両です。
平成15年式 UA-SCP10 5MT 走行距離154,000km
車齢が8年、走行距離15万キロ超です。消耗品交換以外の不具合を考慮する時期に入ったといえます。今回はエンジンを掛けながらリフトアップして点検。燃料ポンプの音に以前にはないザラツキが感じられましたので交換を実施しました。
後部座席座面下のカーペットをめくるとサービスホールがあります。
燃料タンクを降ろさないと燃料ポンプを交換できない車両が多い中、このような優しい配慮に気分が軽くなります。
まず燃料ポンプのコネクターを離脱してエンジンを掛け、エンストするまで放置します(燃料ラインの残圧除去)
さらに給油口の蓋を開けてタンク内の圧力も逃がします。
ディスコネクトツールを使って燃料ラインを離脱し、ポンプ&フィルター&フューエルセンダーユニットのアッセンブリを取り外します。
新旧比較しますとストレーナの汚れ具合、プラスチック部品の着色(ガソリンの着色料が染み込みます)に長距離走行の痕跡が見られます。
元通り組み付け、音を確認。ザラついた異音はすっかり解消しました。
さて、取り外した燃料フィルター内部に残ったガソリンを排出しますと黒く濁った液体が…
エアソーで切開して内部のフィルターを取り出しました。新品時は白かったのでしょうがすっかり真っ黒に。
インタンク式のフューエルポンプはモーターブラシの磨耗粉が燃料に混ざってしまう構造のようで、この異物を取り除く役割も燃料フィルターにはあるみたいです。燃料ポンプが作動不良になるとエンジン始動不能や突然のエンストに遭遇します。多走行車は少しでも異変を感じたら(ユーザーが燃料ポンプの音を聞き分けるのは一般的に難しいと思います)交換をお奨めしています。
その後、お客様からアクセルの反応が格段に良くなったとお知らせいただきました。僕はプレッシャーレギュレータで燃圧がコントロールされているので燃料ポンプの微弱な性能低下は無視できるものと思っていましたが、アクセルを踏み込んだときなどガソリン流量の多い場面では圧力損失による燃料不足が起こっていたのかもしれません。アクセルの踏み込み量が少なくなって燃費がよくなりそうですね。
L502Strxx says
たけし様
>多走行車は少しでも異変を感じたら
最近、停車時やエンジン掛けて車の周りを一周していると「ウィ~ン」と燃料ポンプの動作音が大きく、現在の走行距離が94550Kmであり、数千キロは目を瞑っていましたが、この頃うるさくなってきました。どうして分かりませんが、ガソリンを満タン入れるとあまり目立たなくなります。・・・これは何かあるのかなと感じますが、何かの異変でしょうか?それともそういうものかどうかも分かりません。・・・
そう遠くないうちに交換を視野に入れたほうがよろしいでしょうか。もし交換するなら同時交換すればいいものをご教授願います。
たけし says
L502Strxx 様
誤解の無いように申し添えます。この記事で異変を感じたのはユーザー様ではなく、ユーザー様のお車のお世話をしている僕です。
記事にも括弧書きで記載していますが、一般の方が異音かどうか聞き分けるのは至難と思います。
僕はL502Strxxさんのミラの状態を長期に渡っては観察していませんので、仮に僕が聞いたとしても異常か個体差なのか判別できないと思います。
こちらの記事では継続的に一人の整備士がクルマを観察するメリットを記載したつもりでした。L502Strxxさんの不安をあおるようなつもりはありませんのでご理解いただければうれしいです。
インタンク式の燃料ポンプはガソリンが満タンになると完全にガソリンに浸かった状態になりますから幾分遮音されるのではないでしょうか?
交換を視野にいれるかの判断は、申し訳ありませんが地理的に離れた僕では難しいと思います。オーナー様とお近くの信頼できる整備士とご相談ください。
L502Strxx says
単刀直入に書きまして失礼しました。
>継続的に一人の整備士がクルマを観察するメリットを記載
→そういうことでしたか。色々と回るのは好きですが、やはり一箇所に掛かることが大事だなと感じました。
>L502Strxxさんの不安をあおるようなつもりはありませんのでご理解いただければうれしいです。
→周知の通り性格上あてずっぽうながら敏感になっています・・・失礼しました。
>オーナー様とお近くの信頼できる整備士とご相談ください
→コメントを拝読した後、足回り整備していただいた方に相談しました。もう少し様子を見ましょうと。なりました。遠方でありながら相談したくなるのは、たけしさんのブログが読んでいて僕は楽しいのでついつい書きたくなって話も聞いてみたくなりました。
返答ありがとうございます