フォルクスワーゲン トゥアレグです。気がつくと助手席足元が湿っていて、色も付いていないし、変な臭いもしないので雨水が入ってきているようだとの訴えで入庫しました。
確認しますと、確かに助手席は水浸し。お客様がおっしゃるとおり無臭ですから、エアコンのドレーン水が溢れたか、どこからかの雨水の浸入です。
水の進入経路特定は難しい場合が多く、長期戦覚悟で臨みました。
グローブボックス下のカバーを取り外し、エバポレータケースの周辺を観察しても水が通過した痕跡は見当たりません。
念のためドレーンホースを車両外側からエアブローしましたが、特別詰まったような手ごたえはありませんでした。
お客様に再度お車の修理歴等うかがいますと、数年前にフロントガラスを交換したとのことで、シール不良の可能性も出てまいりました。しかし、シール不良を確認するとなるとダッシュパネルを離脱するか、もしくはファイバースコープのような道具が必要になります(ファイバースコープも随分安価になりましたから用意しないといけませんね)。
水道水でシャワーテストを行いました。
すると運良くテスト開始してしばらくすると、助手席におびただしい量の水が空調ダクトから落ちてきました。
しかも散水を止めてもしばらく漏水の勢いが衰えません。
この現象から察するに、排水がうまくいかずに、どこかに水の「溜まり」ができ、水位が上昇し、ついにはオーバーフローして外気導入口その他から室内に浸入してくるのではないかと…
サスペンションアッパーサポート後部のボディークラッシャブルゾーンのカバーを取り、中を覗きますと、思ったとおり水溜りができていました。
さらにフェンダーライナーを外して確認、やはりドレーンプラグはゴミで詰まっています。
取り外したところ、大量のケヤキの落ち葉と昆虫(コフキコガネ)の死骸が泥水と共に勢いよく排出されました。
現在は樹木が近くにない駐車場に停めていらっしゃるとのことでしたが、詰まり易そうなドレーンプラグは取り外して納車いたしました。
高額な修理にならずに本当によかったと思います。