ハイブリッド車など、故障診断機無しでは定期点検すらできない自動車が増えつつある中、僕たち町工場の自動車整備士は、「できなければディーラー任せ」という図式を少しでも改善したいですね。
とはいうものの、しばらくすると使い物にならなくなる高価な診断ツールを購入するには相当勇気がいるし、それ以前にどの機械がどの程度の機能があるのかすらわかっていないのが現状です。故障修理の受け入れ時にパッとつないで、エラーコードの内容をお客様に明示できるような機械であれば町工場としては合格点なのではと思います。
また、輸入車にお乗りのお客様がご来店され、インスぺクションやオイルチェンジ警告のリセットができれば尚よいと思います。
さて、一部で話題になっている国産車用簡易コードリーダーをご存知でしょうか?
Autel社のMaxidiag JP701
主に1996年~2008年式のトヨタ、ニッサン、ホンダ、三菱、マツダの5社に対応、16ピンOBDⅡコネクタの他、旧タイプの変換コネクタも数種類用意されていて、エンジン、ミッション、ABS、エアバッグの診断が可能と謳っています。
国内で普通に手に入る診断機ではどんな安価なものでも10万円程度はするものでしょうが、こちらはその半値以下で手に入ります。開発及び製造は中国。おそらく並行輸出されている国産車の修理需要があって、日本向けというよりは諸外国向けに開発された印象があります。
サポート言語に日本語は含まれません。英語その他数ヶ国語に対応していて、比較的なじみのある英語で操作は感覚的にできます。
JP701の他、主にメルセデス、ボルボに対して性能を強化したEU702、同様にフォード、クライスラーなど北米車にはUS703、プジョー、シトロエン等にはFR704と全4種をラインナップ。それぞれに旧式の変換コネクタが付属します。オイルチェンジ、インスペクションのリセット機能がある機種は特に興味深いです。
今回は試験的にJP701を購入しましたが、メルセデスにお乗りのお客さま用にEU702も導入しようか検討中です。
のり says
ジャガー用とか出てるのでしょうか?北米仕様を使うのかな?
たけし says
のりさん、こんにちは。
Autelの同ラインナップにはジャガーは残念ながらないようですね。
北米使用にはGM、フォード、クライスラーの3社のメニューの他、グローバルOBDがあります。
roba says
わざわざもうひとつEU702を購入しなくとも、海外からupdateDVDを購入してインストールすれば他の海外メーカーもJP701で対応出来るみたいですよ。(ソフト部分だけで中身は一緒みたいですから)
たけし says
robaさん、情報提供ありがとうございます。
当方も他所で同様の情報を得ており、近日導入予定です。不確かな情報ですが、本体内部メモリの書き換えを数回行うと2度と書き換えができなくなるとかいう事例もあるようです。
いずれにしても興味深い機器ですので今後が楽しみです。
kobo says
面白い内容ですね。
文中にもありますが、アジア中を走る日本車の為に中国、韓国ではスキャンツールのコピーが横行しているようです。
世界中から純正機器を取り寄せてコピーしているそうです。
中には重機にも対応しているメーカーもありますね。
最悪のケースが日本語に変換して我が国で販売しているメーカー!!
ラ○チ、ネ○テック、G-○CANなどがその部類で有名ですね。
「どうやって製作しているんですか?」と質問すると営業マンはシドロモドロになります!!
まぁ、ディーラー網が日本ほど発達していない為、自分たちで整備しなくてはならない事情があるので仕方が無い部分はありますが、そのコピー商品を日本で販売するって行為は少し違う気がしますよね。
使う側のモラルにもよりますが・・・。
たけし says
koboさん
コメントありがとうございます。
この手の製品、具体的にどのような権利を侵しているのか、僕はよくわかってはいません。
ただ、彼の国の製品開発スピードとその出来栄えには驚くばかりです。
いけないことなんでしょうが、設備投資も思うように捗らず、仕事のクオリティは高く求められる時勢ですから、半ば已む無く利用しているというのが現実です。
ひーちゃん says
はじめまして、教えてください。このスキャナーJP701でスズキ車のエアバックランプを消去、リセットできますか?
たけし says
ひーちゃんさん
残念ながらこちらJP701ではスズキ車の診断はできないようです。