PL法(製造物責任法)が施行されて20年以上が経過しました。製品の欠陥によって生命、身体、財産に損害が生じた場合、製造会社に対する損害賠償責任を定めた法律で、消費者保護を目的としています。
数万点の部品で構成されている複雑な仕組みの自動車を製造するメーカーは、第一に「欠陥」を出さないよう、大変な努力をされていることと思います。リコール届出の件数と、その内容の細かさがそれを表していると思います。
さて、1ヶ月と少し前に、エンジンオイル不足で機能不全に陥った軽自動車のエンジン換装の作業がありました。コンロッドメタルの打音が激しく、部分修理でなくリビルトエンジンと交換する作業になりました。
夏季休暇直前に、順調に稼働している様子のお車の各部点検を終えて、安心したのも束の間、その数日後にオーバーヒートを示す赤い警告灯が点灯して緊急停止したと連絡が入ったのです。
警告灯が点灯した直後に安全な場所に退避後、エンジン停止いただきましたので、幸いお客様にはお怪我などはなく、ほっと胸を撫で下ろしました。
車齢9年、走行距離6万キロで、全く予兆の感じられなかった電動ファンモーターの突然停止。
遠方からレッカー搬送されてこられるまでの待機中、落ち着いて過去の不具合情報の検索をします。エンジン換装の時、念のためと思い、車台番号を入力するメーカーWebサイトのフォームで、リコール等情報を検索したときには閲覧できなかった「ラジエータファンモータの保証期間延長」の情報がヒットしました。
延長された保証期間が過ぎていることは承知で、懇意の販社やメーカーのお客様相談窓口に「顧客や整備事業者への案内不足」を改善するように求めますが、慇懃無礼な対応で残念な印象が拭えませんでした。
明らかに大容量化したファンモーター本体と、それを支えるファンシュラウドは、一般的な価格より随分安価に供給され、保証期間延長措置も併せて、メーカーは不具合の多さを承知している証と思います。
エンジン換装時に、情報検索が容易であれば、延長された保証期間が過ぎていたいたとしても、僕からラジエータファンモーターの交換を案内できたのにと思うと悔しくて、楽しい旅行が台無しになったお客様には大変申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
↓オーバーヒートで動作が鈍くなったサーモスタットの点検の様子。行平鍋で煮込みます。左の新品の方が早く開いています。
↓動作不能になったファンモーターを分解すると夥しい量のブラシ摩耗粉と、ブラシホルダーにはほんの欠片になって傾いたブラシがありました。
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