「片側のヘッドライトの点灯状態が良くないので、ヘッドライトの電球くらい自分で交換しようと挑戦しましたが、ボンネット内から見る作業スペースが非常にタイトで驚きました。
そこで、参考になる情報を検索すると、正攻法はフロントバンパーとヘッドライトユニットを取り外すようです。
これでは私の手に負えないので、さらに調べていると、某動画配信サイトでタイヤハウスからアプローチして簡単に交換できる方法を見つけました。そこで再挑戦しますが、直視できない完全な手探りの作業のため、うまくできずに結局は断念してしまいました。
すぐに交換できるものと思っていましたので、試しに格安のHIDバーナーを購入しましたが、部品の手配も含めて交換をお願いします。」
と懇意のお客様から、ゴルフ7のHIDバーナー交換作業を承りました。
平成25年式 DBA-AUCZJ 走行距離46,000km
エンジンオイル交換など、軽微な作業はオーナー様ご自身でされますので、『電球交換くらい自分で』とお考えになるのは自然なことだと思います。
しかし、このようなイジワルな構造に翻弄されることもしばしば。
電球交換のためにフロントバンパーとヘッドライトユニット離脱が絶対に必要なアルファ147, GTなどとは違って、教えていただいた動画を拝見すると、タイヤハウス内から十分作業できそうな印象です。
こちらの車種のヘッドライト付近の構造に触れるのは初めてですから、よく見えるようにタイヤとフェンダーライナーは取り払います。
そうすると、ヘッドライトユニットの裏蓋が、手の届く場所に顔を出しました。
蓋の周りにある赤丸の5つのT20トルクスタッピングビスのうち矢印の箇所はエンジンルーム側からの作業で、とても狭く奥まっています。
手持ちの汎用工具では他の部品に干渉して使えませんので、廃材利用の工具製作をしましょう。
今回は、お客様の最新携帯端末で撮っていただいた、綺麗な撮影動画をご提供いただきました。
10数分で立派に機能するレンチが出来上がります。
リーチが長くてとても使いやすいです。
お客様は、「我々素人は、すぐに既成工具を買い求め、それに頼ってしまうけれど、プロはその場で問題を解決する。今日はそのプロセスを見ることができてとても楽しいです。」
とうれしいご感想をいただきました。
先月のBMW E65 のパワーウインドウレギュレーター交換時も狭い場所のT30トルクスがあって、その場しのぎの工具を作りましたが、いい加減狭い場所用のセット工具を揃えないといけませんね。
そして無事、裏蓋が取れてHIDバーナーと対面。
驚いたのは純正品が格安品と外観が酷似していたことでした。
優良品は純正品と同一ブランドでしたが外観が各部異なります。優良品は純正の半額以下、そしてなんと格安品は約1/20の価格です。
大電流、高電圧が発生する場所ですから、安いからと素性のわからないものを装着するのはあまりお勧めできません。光軸が乱れることが多いですし、車両火災原因の1位がヘッドライト付近という統計もあります(不適切な部品や装着法が原因ではないかと言われています)。
高価な純正品にこだわる必要はないかもしれませんが、最低でも優良メーカー品をお買い求めください。
この度は長時間の作業にお付き合いいただきありがとうございました。
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