「そろそろフロントのブレーキパッドと、場合によってはディスクローターの交換時期ではないかと思っています。」
と具体的な不具合推定箇所をお知らせいただいたスバルサンバーは、半年前の24ヶ月点検(車検)で、ブレーキ装置に特に問題はありませんでした。
平成18年式 LE-TV1 EN07 5MT 走行距離 146,000km
残量が十分だったブレーキパッドは、僅か5,000km走行で、摩擦面がベースプレートに達し、内側のディスクローターの表面を攻撃していました。
一方、反対側のフロントブレーキを点検すると、パッド残量は半年前の点検時と大差ありません。しかし、こちら側のローターの摩擦面にも、引きずりの痕跡(焼き色の同心円模様)が確認できます。
キャリパーピストンが固着気味になったのが原因でしょう。キャリパーピストンを抜いてみることにしました。
ピストンシールというキャリパー内部に備わる四角断面のゴムパッキンは、ブレーキフルード密閉の他に、捻れの反力でピストンを若干押し戻す役割があります。ブレーキパッドとディスクローターはブレーキを踏んでいない時でも接触していて、ほんのわずかなストロークで作動し、大きく変化するのはピストンの圧力とお考えいただくとイメージしやすいと思います。
点検では発見できなかった奥の方に浮き錆がありました。
丁寧に清掃すると綺麗なメッキ表面が現れましたので、ピストン交換の必要はありませんでした。
こちらのサンバーを初めて拝見したのは4年半前、走行11万キロでした。僕は、お車の使用環境に応じてキャリパーオーバーホールの時期を案内していますが、お使いの状況が判らない期間を経た自動車でしたから、外部から見える範囲の目視・触診だけでなく、早い段階で分解点検を実施する方がよかったかもしれません。
今回は、大きな故障や事故になる前に、お車の不調をお知らせいただきましたお客様に心より感謝申し上げます。
《編集後記》
特に軽自動車ユーザーにご愛用いただいております MOTUL H-Tech 100Plus 5W-30 は、100% VHVI の良質エンジンオイルです。他オイルからの入替で、静粛性と燃費の向上を体感。こちらのサンバーのお客様にも継続してご使用いただいてます。
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