車齢が10年を超えるころから、特に屋外駐車車両のワイパーの『錆』や『色褪せ』が目立つようになります。
運転席前方の視界に入る場所ですし、写真のように赤錆まで劣化が進んでしまいますと、車全体がみすぼらしく見えてしまいますね。
車両の外に配置されているワイパーは次の3つの部品で構成されます。
①ワイパーアーム
②ワイパーブレード
③ワイパーラバー
交換部品としてカー用品店やガソリンスタンドなどで販売されているのは、③のワイパーラバー(替えゴム)や、②のワイパーブレードと③のワイパーラバーが組み合わさったもの(これを一般的にワイパーブレードと呼びます。)です。
上の写真はワイパーブレード部の錆ですので、市販品と交換することで手軽に綺麗にできるでしょう。
しかし、次の写真のように、③のワイパーアーム部にまで錆が及んでいる場合、交換部品は純正部品のみになりますから、入手は手軽とはいえません。
仮に入手できたとして、交換作業には相応の技術が必要です。
ワイパーアームは、カウルトップパネルに内蔵されたワイパーリンク機構の往復回転運動軸とテーパー勘合されているのが一般的で、雨水等で錆びて固着し、容易に離脱できない場合があるからです。
また、20年を超える経年車の場合、部品の供給が終了していることも珍しくありませんから、僕の場合、部品供給の有無にかかわらず、ほとんど補修で対処しています。
ワイパーブレードは細かく入り組んだ形状ですから、赤錆の除去にはこのようなミニルーターと回転式ワイヤーブラシが便利です。
とにかく下地の金属が綺麗に見えるまで完全に錆を除去することが大切です。塗料の厚塗りで下地の不均一を隠ぺいすることは極めて困難だからです。
塗装職人さんから譲り受けたMade in USAの一流品、デヴィルビスのHVLP(一般的な自動車補修塗装用途の低圧ガン)は、本当に使いやすく、微細な霧状の塗料がふわっとやさしく塗装対象に乗ります。
直射日光や風雨に晒される場所ですから、やはり塗膜強度の高いウレタン塗装が理想でしょう。
缶スプレーなどのアクリルラッカー系の塗膜と、ウレタン塗装の塗膜は、砂細工とコンクリートほどの差があるとお考え下さい。
仕上がりの感じはよく似ていても、シンナーで簡単に溶けしまうラッカー塗膜は、水が掛かると形が崩れる砂のお城と同じです。
コンクリートのように固く強固な構造のウレタン塗膜は、シンナー程度ではほとんど変化しない塗膜強度があります。
1時間程度の作業時間で、ここまで仕上げることができました。
↓替えゴムなら、純正同等の品質、タクティー(ドライブジョイ、DJ)がおススメ!