フィアット、アルファロメオ、BMWのラジエーターホースで見かける写真のようなホースASSY。
ラジエーター側は樹脂のクイックコネクターになっていて組み立ては非常に簡単。但し、ラジエーター交換等で一度このコネクタを離脱すると、内部のラバーリングが経年で柔軟性が劣り、新しく用意したラジエーターとの密閉性に問題が出ることがあります。ですから、このようにホースASSYを新調するのが安全だと考えています。
一方、この新品ホースのエンジン側は、クイックコネクターではなく、ホースクランプで締め込む構造です。
同時に取り寄せたホースクランプは、このような結束バンドを金属にしたようなものでした。一度締め込むと緩めることができない構造です。
このホースクランプは、ラジエーター側のクイックコネクタとホースを締結しているクランプと同じものですが、新車組立工場で装着されているもので、手持ちの工具類では締め込むための手立てが思いつきません。一体どのような手法で取り付けるのか調べてみることにしました。
いろいろWebを徘徊するうち、フランスのCAILLAU(カイルー)社というホースクランプの専門メーカー製で、商品名はVISA®ということがわかります。
CAILLAUのWebサイトを参照すると、小型のエアインパクトレンチくらいの大きさの専用エアツールが、VISA®の締結のために用意されていて、ツールの消耗部品の交換時期など詳細な記載がありました。
まさしく新車工場の組み立て用。我々のようなアフターメンテナンスで使うイメージではありません。
ツールの詳細を部品商経由で正規輸入元に聞くと正規販社へは供給可能とのこと。
しかし今まで、販社整備後の車両であっても、VISA®の再装着例は見たことがなく、例えばTRIDON(トライドン)などに代表されるねじで締め込むタイプの汎用ホースクランプを用いているのが一般的ではないでしょうか。
さて、同じくフィアット、アルファロメオなどイタリア車でよく見かけるホースクランプにCLIC®というのがあります。これもCAILLAU製ということを知ります。
このCLIC®の一種、CLIC®Rが一番よく目にするものです。
着脱には専用のプライヤを用意する必要がありますが、比較的安価ですし、写真のように角度可変のものもありますから、イタリア車を整備する場合は必須の手工具。
無理に汎用工具で離脱して、再装着が困難な車両にかなりの割合で遭遇します。
では、国産車両のホースクランプはというと、このような耳付きのクランプが一般的です。着脱は汎用のプライヤーで十分。特別な工具は不要で、実に容易に整備が進むのです。
コメントを残す