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アイドリングが不安定 その原因と対処(ダイハツ ミラ CBA-L250S EF-VE)

停車アイドリング時に、アイドリングが不安定になることがあるとのことで入庫したのは

ダイハツ ミラ アヴィ 平成18年式 CBA-L250S EF-VE 4AT 走行距離 78,000km

症状を確認すると、無負荷アイドリング時は不安定になることがないのですが、例えばエアコン、ヘッドライトなどエンジンに負荷を与える操作を加えると、時々アイドリング回転が低下して不安定になるというものでした。

気温の高い昼間が続くようになったので、エアコン稼働の機会が増えたのでしょう。以前からあった不調だったと思いますが、最近になって症状が体感できるようになったのかもしれません。

尚、エンジン回転がアイドリング回転よりも高い状況では、全くストレスなくエンジンは円滑に回転上昇します。

さて、アイドル回転制御に関わる部位は限られます。

こちらのミラの搭載されるEF-VEエンジンには、スロットルボディー下にアイドルスピードコントロールバルブ(ISCV)が備わります。

余談ですが、このエンジンのバルブカバーはエアクリーナボックスと一体成型で、イグニッションコイル付近をエンジン吸気が通過します。製造コスト重視の大胆なレイアウトですね。

吸気ポートの内部にあるバイパス通路にエンジンコンディショナーを注入すると、不調の頻度が極端に少なくなりました。

ISCV周りの汚れの堆積がその適切な動作を妨げていた可能性と、汚れが取り除かれたことでISCV自体が不調になっていたのが改善の方向に向かった可能性が考えられます。

ISCVは、もちろんエンジン電子制御にかかわる場所ですが、今回の不調ではエンジン警告灯の点灯はありませんでした。

不調の原因はISCVでほぼ間違いないのですが、ISCVの新品部品は非常に高価(約3.5万円)です。

確証が持てない状態で、そう簡単に交換点検することはできません。

しかし、こちらのダイハツのEF-VEエンジンのように、たくさんの車種に展開されるエンジンの場合、リサイクル部品市場には状態のよい部品が安価に多く存在します。

お車の年式、今後お使いになる年月や走行距離を考えると、部分的に高価な新品部品を使うのは決して利口な処置とは言えません。

今回もリーズナブルなスロットルボディーASSYが簡単に入手できましたので、修理が無事完了しました。

交換直後にハンチングが出て焦ったのですが、リサイクルパーツは他車(ムーヴ)からの流用で、少量のコンディショナー清掃後に調子が落ち着きましたので、長期保管による動作不良か、もしくは初期学習がうまくできていなかっただけかもしれません。

あと今回ご依頼の不調とは別に、オートエアコン稼働中発生する室内空調装置の異音(ジジジジ…音)が気になりました。

トヨタの同年式車にも同様の症状が頻発しますが、そのほとんどがエアミクスチャーアクチュエーター(温冷空気混合割合制御)の不調です。

運転席足元左脇に備わるアクチュエーターASSYを分解しました。

先端が3つに分かれたリーフスプリング状のコンタクトが、ギア側面にある導電パターン上を摺動する仕組みです。

よく使う温度域付近で起こる若干の摩耗が接触不良となり、動作に不安定が出ているのだと思います。

コンタクトの微調整などで改善できると思いますが、基本は非分解の部品です。そう高価な部品ではありませんし、対策されていることを期待して新品に交換しました。

ご依頼のエンジン不調、耳障りな空調の異音はすっかり解消しました。

これから向かう真夏の季節、どうか快適にお過ごしください。

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