鮮やかなジャッロ・コルサに彩られたイモラリミテッドは、150台限定の特別仕様。
4年毎とも4万キロ毎ともいわれるイタリア車のタイミングベルト交換の頻度は、国産車のそれより短期で、関連部品の品質の違いがその差と考えて差し支えないと思います。
平成21年式 ABA-955141 199A8000 6MT 走行距離 47,000km
車齢が早10年を超過し、お客様にご判断を委ねていたタイミングベルト交換を実施する運びとなりました。
排気量1.4リットルのターボエンジンを覆うアルファロメオの化粧カバーを取り去ると、馴染みのフィアット製エンジンの顔が現れます。
クランクシャフトを固定する特殊工具は、中心のボルトを緩めない限り不要とも思えるのですが、スプリング式オートテンショナの張力調整時は、クランク位置が大切ですので装着が基本でしょう。
元装着されていたオートテンショナのインジケータは、緩み方向一杯付近まで緩んでいます。
タイミングベルトは使用過程で摩耗しますので相応の緩みがあるのが自然で、同様のスプリング式オートテンショナのインジケータは緩み方向を指しているのが普通です。新品時からどの程度の使用で緩み方向に移動するか調べたことがありませんが、案外短期間でこのような状態に落ち着くのではないかと感じています。
使用過程の緩みを考慮した初期調整であれば、使用過程で無暗に再調整しないのが無難と思います。
新しいテンショナーはこのようにインジケータを合わせます。
純正部品を注文すると、ウォーターポンプもタイミングベルトセットに入って供給されますので、同時交換が基本なのでしょう。
最近気に入って使用しているロックタイトの5699はとても秀逸な液体シール剤です(剥離が容易で清掃が簡単。油脂との馴染みが良くて脱脂不十分をカバーできる性能があるようです)。
珍しくドレーンコックが備わるアルファロメオのラジエーターでしたが、残念ながらコックやOリングのみの供給がありません(イタリア車らしいですね)。
経年したコックを緩めて再締め付けするとクーラント滲みのトラブルが発生する可能性がぐっと高まります。今回は緩める前にサイズが調査・特定できましたので、同サイズのものを国産メーカー純正品で代用しました。
そしてタイミングベルトカバーを外した状態でエンジン始動。各部目視・聴感で問題ないことを確認します。
タイミングベルトを新しくするとバルブタイミングが設計値に近くなり、エンジンのフィーリングがとても良くなります。
4C譲りの綺麗なエクステリアデザインと、軽やかなダウンサイジングターボの魅力を再びお楽しみいただけると嬉しいです。
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