パワーウインドが異音と共に下がったまま動作しなくなりました。
雨が強く降った週末土曜日の深夜、アルファ147にお乗りのお客様から連絡が入りました。
平成18年式 GH-937AB 2.0TS Selespeed 走行距離 33,000km
小さなプラスチック部品一つでウインドガラスを昇降する釣瓶式レギュレータのアルファ147は、レギュレーターモーターの動きが速いことも加わって故障の頻度がとても高いと思います。
下がったまま動かなくなった助手席側ウインドガラスは、破損したプラスチック部品が強く噛みこんでビクとも動かない状態でした。ワイヤーケーブルを切断し、レギュレーターをバラバラにして内蔵部品の取り出しから始めます。
ウインドガラスに取り付けられたラバー製のグロメットはご覧の劣化。
新しいグロメットは少し固めで乳白色の材質に変更されていました。
ウインドガラスの緩衝材のグロメットが劣化して、レギュレータのプラスチック凸部との間に隙間ができ、昇降するたびに前や後ろにガタっと傾いてからガラスランを滑走しますから、引っかかるような負荷が生じてプラスチックパーツの破損に至ったのかもしれません。
パワーウインドが故障したドアの内部は、何らかの理由で分解した形跡があり、それは一目であまり丁寧な作業とは言えませんでした。各部破損や調整不良が見られました。プラスチックの破片が数点見つからなかったり、ご覧のような自作のガラスストッパーがあったりと、何か小手先でごまかそうとした意図がうかがえます。
レギュレーターやグロメットなど新品部品を用意して組み付けが完了した助手席側パワーウインドですが、動作確認すると、運転席のパワーウインドマスタースイッチの不調で、助手席側ウインドガラスの上昇動作ができませんでした。
お客様と相談して、新品のパワーウインドウスイッチを取り付け動作良好になったのですが、ふと見るとオドメーターとトリップが点滅しだしたのです。
トリップリセットしても、少し走行しても点滅がおさまりません。Webで調べると、CANに接続されるECUの一つがパワーウインドスイッチに内蔵されていて、外部診断機を使った操作が必要なようです。スイッチが大変高価なわけです。
Multiexcuscanのメニューを探すと「Ploxi Alignment Procedure」と、オドメーター点滅の際に実行するメニューが見つかりました。
しかし、注意書きを読むと最悪の状況(セキュリティーコード関係のデータ消失など)が頭をよぎり実行ボタンを押せません。困ったときにいつも相談に乗ってくださるコルソマルケさんに連絡します。
滅多に変なことにはならないから実行ボタンを押すだけでいいよと安心のメッセージを頂戴し、修理を無事完了することができました。いつも助けていただき心より感謝申し上げます。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
コルソマルケさんとのお話で、相談の内容とは別にスタビライザレスの足回りのことで盛り上がりました。世の中にはスタビライザーを取り払うセッティングの方が良いクルマはたくさんありそうですね。ゆっくりとお話しできる機会を楽しみにしています。
↓僕も読んでいるメンテナンスブックです。アルファオーナー様におすすめの書籍です。
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