エンジンがうるさくなってきたので診て欲しい。ということで入庫した
H11年式 スズキ エブリィ 4WDターボ GD-DB52V 走行93000km。
明らかに排気漏れの音がしています。
早速リフトアップして,漏れ箇所の特定を行いました。
エンジン付近からの音が大きいので,エキマニでも割れたかなと思って見たところ,エキマニを取り付けているナットがほとんど脱落しているのです!辛うじて残っているナットも指で回るほど緩んでいます。
これではエキマニ取り付け面から排気漏れするのは当たり前ですが,さて,このような状態になった原因を考えなくてはなりません。
とりあえず,遮熱カバーを外しにかかります。ターボの周りや,エキマニ周りにはエンジンオイルやLLCのパイプホースがあるし,遮熱カバーを止めているボルト類にアプローチできる工具は限られたものになるし,作業の困難な部類の車ですね。
ようやくエキマニがあらわになりました。
ナットが脱落した箇所に新しいナットを締めこんでみます。すると,ほとんどトルクを掛けていないのに,スタッドボルトが空回りしまます。
シリンダヘッド側の雌ネジが痛んでいるようです。
このF6Aターボエンジンは,エンジンから随分距離のあるところにターボチャージャー本体がぶら下がっていて,レバレッジの効いた力がエキマニ取付け面に加わるような構造になっています。
おそらく,各部の経年劣化でエンジン振動が変化し,エキマニ取付け部を極端に痛める結果になったものと思います。
お客様は次の車検まで乗れればよい程度で直して欲しいとおっしゃいました。
今回は,シリンダヘッドへのダメージが懸念されましたが,リコイルを挿入して雌ネジ部のみを強化し,さらにタービンとATを柔軟性のあるステーで気休め程度に補強を入れておきました。
この後,この車は調子よく走っていますが,この直後,同じくエブリィの2WDターボが同様の症状で入庫し,同様の処置をしました。
この年式以降のターボ車では,この症状が発生してないようです。
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