あなたの車にエンジンオイルが入っていて,定期的に交換することはご存知ですよね?エンジンオイルが劣化するとひどい状態になるのは、前記事エンジンオイルの交換ってホントに必要なの?に書きました。
定期的な交換が必要なのに,あまり意識されない液体をご存知ですか?
ロングライフクーラント(LLC)です。水冷式エンジンの冷却液のことですね。つまりラジエータなどエンジン冷却系統に入っている液体です。
その昔,冷却水と言えば「不凍液」と言って,冬場の氷点下の環境でも凍らない液体を使用してました。でも,その寿命は一冬のみ。次の冬までには交換しないといけませんでした。
そして,何年も凝固点降下作用が持続する液体が登場しました。これがロングライフクーラント(LLC)です。
しかし,ロングライフなのは一部の性能で、最も大切な防錆作用は意外に早く能力低下していきます。防錆性能の低下したクーラント(LLC)を何年も交換しないでいると,異臭を放ちます。
劣化したクーラント(LLC)を循環させていると,すべての冷却系統のホース,パッキン,パイプ,樹脂部品,金属部品を痛めます。細い通路は詰まったりもします。
走行中に突然ラジエータが破裂したり,ゴムホースや,そのジョイント部が破裂するのは,その多くがクーラント交換(LLC管理)が行き届いていないからなのです。このような故障が起こった場合は,複雑に入り組んだ冷却水系統が壊滅状態で,手の施しようがないといっても過言ではありません。僕はこのような故障車をお預かりしますと,残念ながらお乗換えをおススメしてます。
LLCの交換は車検毎(すなわち2年ごと)とされているのが一般的ですが,ロングライフだから交換しなくていいという間違った知識は驚くほど多いんですよ。
最近は一部のメーカーで,超ロングライフなLLC(特殊なラジエータとセットで効果があるそうです)も登場しているそうですが,まだ主流は一般的なLLCです。
あなたの車,車検のときにクーラントは交換されていますか?