「渋滞や信号待ちなどで停車中、水温計の指針が上がっていく。完全に振り切るところまではいかないけど、以前はこのようなことにはならなかったので診て欲しい。」ということで、入庫したのは
平成6年式 ローバー ミニ メイフェア XN12A A/T 走行距離62,000km。
いきつけのガソリンスタンドに同じ車を乗っているスタンドマンがいたので聞くと、この車は夏場オーバーヒート気味になるからエアコンはつけない方がいいといわれたらしいのです。お客様は、今までこんなことはなかったけれど、車も古くなってきたからそんなものなのかもしれないとエアコンをつけずに我慢されていたんです。
僕は、こちらの車両を初めて拝見します。
まず、エンジンルームを見ます。クーリングファンはエンジンに直結されていて、エンジンが掛かっている間は回りっぱなしです。ラジエータが詰まり気味にでもなっているのでしょうか?
ラジエータが左フェンダーの内側、コンデンサーが右フェンダーの内側にそれぞれ「縦置き」されています。こんな小さいエンジンルームによく収まりました。
コンデンサーのファンは右のタイヤハウスから覗き込むと見えました。
ん?まてよ。
左フェンダーの内側を覗き込むと同じように電動ファンがあるじゃないですか!
これが動いていない可能性大です。フロントグリルを外すと目の前にサーモスイッチがありました。直結させて電動ファン単体の点検をしようとコネクタを外そうとしたところ、完全に断線してました。
断線を補修、電動ファン単体の作動はOK。エンジンを掛け、水温上昇を待ちます。エンジン回転を3000rpmにキープして水温上昇を促進させます。
数分後、電動ファンが回りました!
試運転してエアコンをつけていても問題なく水温が安定していることを確認して納車となりました。
夏を前にして、お客様にはとても喜んでいただけました。でもこの年式の英車、水温計のチェックは欠かさないでくださいね。
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