「ハイウェイシミー」と呼ばれる高速走行時の微振動は、ほとんどの場合タイヤホイールのセットに起因します。
そして、外力が加わって変形したホイールでない限り、タイヤそのものと、組み方が原因です。
アルファ147の1600ccにお乗りのお客様からは、今年の春からハイウェイシミー低減のご相談を受けていました。
中古車で乗り始められた147は、前輪に欧州一流メーカー品の同銘柄タイヤが、そして後輪は国産一流メーカー品が1本ずつメーカーも銘柄も異なるものが装着されていました。
パンクや、摩耗などの交換歴だったのでしょうが、4輪でバラバラのタイヤというのは、バランスの良いものではありませんから、理想的にはそろえるべきでしょう。
現状でユニフォミティの見直しを丹念に行いましたが、ハンドルにも車体にもハイウェイ走行時に微振動は残り、前輪に欧州タイヤを装着した場合に、特にハンドルに振動が発生するということがわかりました。
メーカー出荷直後のタイヤは、その時点で品質を保っていても輸送工程で著しく変化することが珍しいことではないらしく、短いルートで、かつ輸送手順(積み込みの方法も含めて)も管理下に置かれてるのが理想なんだと思います。
タイヤは大きな力を受けますから一見強そうに感じますが、一度ホイールから剥がしたタイヤを再装着し、バランサにかけるとひどく振れていることがあります。
タイヤは、あなたが想像しているよりずっとデリケートな品物です。例えば、いくら製造年が新しいからと入手先や輸送ルートが不明で、PPバンドでギッチギチに縛られて配達されるようなタイヤは、もはや使いものにならない場合が少なくないのです。
さて、アルファロメオの純正ホイールには、ご覧のような旧装着タイヤのゴム癒着が見られます。
この場所はチューブレスタイヤの気密を保つ部分でもありますし、ビードの密着と空気充填したときの真円度を考えると入念に癒着ゴムを除去するのがいいと思います。
今回お客さまがチョイスしたのは、ヨコハマゴムの BlueEarth-A AE50。サイドウォールの「しなり」がブリヂストンとは性格の異なる、往年のヨコハマらしい良いタイヤだと思います。
ホイールのローポイントと、タイヤの高剛性点(赤点、RFVマーク)を合わせます。
単純なことですが、ひと手間かけると、とても綺麗に回転するタイヤホイールセットが組めます。バランサにかけた時の安定感が旧装着タイヤとまるで違うので、お渡し後のご感想が楽しみです。
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《編集後記》
同じタイヤでも、こちらは通勤に使用している自転車のタイヤです。自動車よりも外形が大きいですから重量アンバランスの影響は大きく、静的バランスだけでも取ってみると、とくに高速時(35km/h~)で滑らかさが変わりました。
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