24ヶ月点検と継続検査代行(車検整備)でお預かりしていますトヨタ クラウンは車齢17年、走行距離27万キロを超えました。
平成11年式 E-JZS151 1JZ-GE 4AT 走行距離 270,000km
お預かり時、騒々しい打音をエンジンルームから発していましたが、定番の(?)クランクプーリーのトーショナルダンパーの剥離で、27万キロもラバーが耐久したことに驚きました。
激しくオートテンショナーが揺れていて、痛みが進みつつあったテンショナーも交換します。
補機ベルトの掛かるベルトリブ溝のあるプーリーと、クランクシャフトに装着されるクランクプーリー本体は、本来一体構造ですが、間にあるはずのゴムは完全に千切れて2つに分離していました。
ベルトテンショナーの張力と他の補機プーリーの溝に補機ベルトはガイドされて外れることはありません。
ただし、エアコンコンプレッサーは電磁クラッチが入ると、さすがにスリップするようでエアコンコントローラは異常を検知してクラッチを断絶していました。
クランクシャフトを伝って6つのシリンダーで楽器のように共鳴していた打音は、正常なクランクプーリーを装着するとトヨタのシルキー6らしさをすっかり取り戻して軽快に回り続けます。
融雪剤の影響の多い地域も走行されているようですが、マフラーやジョイントなど高温部位も殆んど錆や劣化がありません。
そして、ショックアブソーバもヘタり切っているはずなのに、クラウンの乗り心地を損なうまでには至らないのです。
ところであなたは、現行クラウンロイヤルの上品な足音をご存知ですか?
コンフォートからロイヤルまで、世界に類を見ない素晴らしい工業製品を作った方々に敬意を表すと共に、同じ日本人としてクラウンに携わることをとても誇りに思います。