オーバーヒート修理でお預かりしていますスズキ キャリィの原因はサーモスタットの開弁不良でした。
平成17年式 LE-DA63T K6A 3AT 走行距離 238,000km
鍋で煮込むとサーモスタットの全開位置まで開きますが、新品と比較すると明らかに開弁速度に鈍さが見られます。88℃の比較的高温域で動作するサーモスタットですから、開弁速度の低下も暑い季節には影響が大きそうです。部品交換後の水温確認は、水温計が備わらないため、外部診断機で水温センサーの出力をモニターします。
オーバーヒート回避を目的に低温動作のサーモスタットへの変更される例があるようですが、エンジン設計の動作温度が変更されることになりますので、基本的には行いません。
さて、試運転中、路面凹凸通過時に気になったフロント左右から聞こえる異音はロワーアームボールジョイントからでした。
目視点検ではブーツ破れもなく正常に見えますが、点検では大きなガタつきが確認できます。
弾力のある破れのないブーツをめくると、中部は錆と水分でいっぱい。ブーツの破れは保安基準不適合で車検に合格しませんから、腐食、損傷が見られた状態にもかかわらず、過去に何処かで取り繕ったのでしょうか?
サスペンションの重要部位で、最悪完全脱離して走行不能になる個所です。
スズキは純正でブーツとグリースの補修パーツを供給していますが、交換か修理かの見極めと、このような発見の遅れがちな取り繕いには特に注意が必要です。
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