シベリアの大都市、ナバシビールスク(Новосибирск)からスズキ エスクードのリフトアップキットを取り寄せました。
彼の地では、四輪駆動車のアフターマーケット部品が豊富にあり、国内では作っていないようなものがうまく見つかる場合があるようです。
セットの内容は、フロントストラットアッパーマウントスペーサ、リアコイルスプリングスペーサ、キャンバー補正ボルトで、実測37mmのリフトアップが手軽に行えるというものです。
フロントはこのようにアッパーマウントに装着します。
赤いコイルスプリングは、今回の作業前に組まれたトヨシマ製30mmリフトアップで、合計2.5インチのリフトアップになりました。
リアはコイルスプリングスペーサを取り付けますので、構造上、ショックアブソーバの伸び側ストロークを調整するため、汎用の延長ブラケットを組み、アブソーバ伸び切りを防止します。
バランスの取れたノーマルの足回りを大きく改変するわけですから、各部に不具合や負担が生じます。
例えばリアのブレーキホースです。
サスペンションが一番伸びた状態では長さが足りず、写真のように屈曲が大きすぎます。走行中は路面の状況次第でこの部分に繰り返し負担がかかりますから、長いブレーキホースに交換しなければいけません。
アライメントについては、フロントは付属のキャンバー補正の細いボルトを使い、リアは、トーコントロールロッドとロワーアームのそれぞれボディ側の偏芯カムボルトの調整範囲で、静地状態のキャンバー、トーは概ね違和感のないものにできました。
リフトアップで猛々しい外観と、悪路走破性を得て、ノーマルの調和を失います。気の遠くなるような調整作業や工夫が必要でしょう。しばらく走行して初めてわかる不調も今後あると思います。
リフトアップした時、それは、一旦崩したバランスをどこでどのように釣り合わせて問題を少なくできるかという課題に取り組む出発点。
それはローダウンも同じです。ローダウンだけでノーマルより高い運動性能が得られることなど、決してないのです。
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たつや says
この度はいろいろとご協力頂き、ありがとうございます。
ノーマルのバランスを崩す際には、その行為で得られるもの、
失うものをよく理解することが大切ですね。
オーナーが双方をしっかり把握し、納得の上で行うモディファイは
楽しいものです。あまり他人のやっていないことなら尚更。
売らんが為にデメリット部分を語らず、美辞麗句を並べ立てる
チューニングに惑わされると、なかなかそのクルマの
本質が見えなくなりそうですね。そしてそれはオーナーを決して幸せに
しない行いでもあると思います。
たけしくん says
たつやさん
この度は、希少なモディファイのお手伝いができて大変光栄に思います。
遠く離れた地域にある品物も、インターネットの発達で入手が格段に容易になました。
リフトアップをご希望のオーナー様は、みなさんデメリットをよくご存じですから、とても気持ちよく作業することができます。バランスを崩した後のことは、オーナー様に中長期的に入念に観察いただかないといけないからです。
いつも楽しいひとときをありがとうございます。