エンジンを掛けたまま5分ほどアイドリングしていたところ、運転席から焦げ臭い匂いとともに煙が出てきたと連絡が入ったのは午後8時頃でした。ご自宅前とのことでしたので、そのままエンジンを切った状態で待機いただくようお願いし、現地に向かいました。
平成16年式 CBA-NCP30 2NZ-FE 4AT 走行距離125,000km
到着したときには既に焦げ臭さはなく、室内の見える範囲、エンジンルーム、下回り点検しますが、目立つ痕跡はありません。エンジンを始動しても特に異音も異臭もありませんでしたので、少し運転してみようとヘッドライトディマースイッチをひねったときに異常に気が付きました。
左右のヘッドライトが全く点灯しないのです。
以前、比較的台数の多いリコールがあったことを思い出し、ヘッドライトディマースイッチの故障で間違いないと確信します。
カローラ、ヴィッツなど 17車種のリコール>>
多くの車種で同様の構造を共通する故の大規模リコールでした。リコール対象になった運転席手元のディマースイッチは、ヘッドライトに流れる大きな電流を直接断続するリレーレスの構造です。部品の共通化と、部品点数の削減が目的だったのでしょうか。
しかし、今回トラブルを生じたbBはリコール対象ではありませんでした。
ヘッドライト電流断続の接点付近は変色し、付近の樹脂は溶損しています。改善箇所の説明の通りなのですが、対象でない限り有償修理になるのと販社の説明にいまひとつ納得がいきません。
元装着品(上)の大きく溶けて変形していた半透明のPPカバーは、補給部品(下)では黒いカバーに変更されていました(難燃性の向上?)。
実は、法定12ヶ月点検をちょうど一週間前に実施したばかりのお車で、お客様には大変ご心配とご迷惑をおかけしました。点検時には点灯状態に問題がなかった(点検は工場内の短時間点灯)のですが、予兆が希薄だったとはいえ、不具合を発見できなかったことを大変申し訳なく思います。同一構造を採る車種の重要点検項目に追加いたします。