マニュアルトランスミッションのメインドライブシャフトからのギアオイル漏れでクラッチの接続不調が現れたS100P ダイハツ ハイゼット。
メインドライブシャフトのオイルシールはトランスミッション内側に配置されていますので、トランスミッションをほとんど分解しないといけません。
強く固着したスピードメータードリブンを取り外すのが一番の難関でした。ヒートガンでオーリング付近を温めながら固着を解き、ようやくエクステンションハウジングを離脱。
次にメインハウジングを取り外すと、歯車機構が露わになります。4thギアは取り外したメインハウジングに装着されたままですので、4thギアのシンクロメッシュ機構がバラバラにならないように慎重に作業します。
矢印のシンクロナイザリングは3rd-4thハブに乗っているだけです。不用意にシフトフォークが動くと3つある小さなシンクロナイザキーが簡単に脱離しますので、装着状態を記録しておきます。チャンファーの状態は各スリーブ、ギア、シンクロリングとも悪くありませんでした。
コンスタントメッシュ(常時噛合い)のトランスミッションは前進のすべてのギアがこのように噛合った状態ですが、軸とは独立して空転しています。選択したギアを動力軸に固定されたハブと連結させるのが変速の仕組みです。ほとんどのマニュアルトランスミッションには、こちらのキー式イナーシャロック型シンクロメッシュ機構が備わります。
シフトフォーク、バックギアのアイドラを取り外し(○印はシフトフォークのインターロック機構)
ようやくベルハウジング内側に配置されるオイルシールに到達しました。
新品と比較すると、柔軟性は変わらないものの、内径に差が見られました。シール部の密着不良によるオイル漏れだったようです。
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