最近、走行中に随分振動が激しくなった。ハンドルや車体がガタガタと怖いぐらいに震えるので、直るようなら直して欲しい。
とのことで入庫したのは、
平成13年式 三菱 ミニキャブ バン U61V 3G83 FR3AT 走行距離90,000km。
早速症状を確認します。低い速度でもアクセルを踏むと、車全体がビィィーーーンとものすごい振動です。これでは、短時間でも耐えられません。
リフトアップして駆動輪を空回ししますと、同じように振動が出ます。この状態で、車体の各部を点検しますと、プロペラシャフトが滑らかに回っていないのが目に付きました。特にデフ側のジョイント部はオイルシールが一部剥離し、錆が出ていました。
車両から離脱してフックジョイントの動きを確認すると、人の力では全く動かないほど固着していました(デフ側)。ミッション側も動きに引っ掛かりがあり、状態は良いとはいえません。
このフックジョイント、スパイダーとベアリングの交換ができるタイプのようなので、僕はこの作業、初めてなのですがチャレンジすることにしました。
ジョイントキットが到着して、内容を確認すると、4つしか必要の無いスナップリングが大量に同梱されています。よく観察すると、表面の色がさまざまで、厚さも微妙に異なるようです。どうもガタを最小に抑えるのと、きっちりセンターを出すために、スナップリングの厚さで調整するようです。
念のため、ディーラーに修理書のコピーを送ってもらうことにしました。交換自体は決して難しいものではないのですが、スナップリングの調整に時間が掛かりました。慣れればもう少し早く作業ができると思います。
最近では、非分解のフックジョイントが主流ですから、メカニック自身がジョイントのオーバーホールをする機会が減る傾向にあります
。
ジョイントをリフレッシュしたプロペラシャフトを取り付けて試運転。本来の静かさを取り戻しました。今回はよい勉強をさせていただきありがとうございました。