シリンダブロックとシリンダヘッドの合わせ目からひどいエンジンオイル漏洩が見つかったのは法定24ヶ月点検のときでした。
↓エンジン下部はミッションケース付近もべっとりとエンジンオイルがにじんでいました。
平成12年式 GF-HA12S F6A 3AT 走行距離 97,000km
僕が初めて拝見した約5年前。それまでのクーラント管理があまりよくなく、鋳鉄シリンダブロックのF6Aエンジンの内部腐食が気になっていました。
前回の継続検査時には全く見られなかったエンジンオイルの漏れは、この2年間で急激に悪化したようです。よく観察すると漏れ出たエンジンオイルにはクーラントも混入しています。
シリンダヘッドを取り外します。あらわになった直列3気筒のピストンヘッド。シリンダを囲うように配置されたウォータージャケットの縁には劣化したクーラントで侵食された痕跡があちこちに見られました。
シリンダヘッドの燃焼室は長年の使用によるカーボンの堆積。カーボン除去と共に、せっかくですからバルブをすべて取り外し、バルブコンパウンドでシート当たりを整えます。
バルブ摺りが終了し、バルブシートに現れた艶消しの綺麗な環状模様。
この狭い燃焼室の中で、混合気が圧縮され爆発燃焼しています。バルブの摺り合わせ作業は大変時間が掛かりますが、気密性が格段に向上し、燃焼効率がまるで違うのです。