時々エンストすることがあると入庫した日産ローレル。
平成10年式 E-GC35 RB25DE 4AT 走行距離 128,000km
G-scanのデータモニターでは、アイドリング時にO2センサーが常にリッチを示していて、異常な状態でした。
もちろんO2センサーそのものの故障も可能性としてありますが、エアフロセンサーのコネクタを揺さぶると、エアフロ出力に変化が見られましたから、原因はこちらの可能性が高いと思います。揺動を繰り返すと、エンジンストールの症状も再現できました。そして、コネクタ部分の接触不良などがないことを確認し、良品リサイクルパーツと交換して、症状は完治。
問題のあったエアフロメーターの蓋を開けてみました。
シリコンコーキングを取り去ると、比較的簡単に内部が現れます。2階建て構造になっているプリント基板の下側は、表面実装で樹脂コートされていますが、上層基盤は写真にあるようにハンダ部のフラックス(と思います)が茶色く変質しています。
手ハンダなど、別工程で施されたハンダ部の経年状態は、よく似たものを目にします。古いハンダを吸い取り、再ハンダすると改善することがありますから、部品調達に苦慮する場合は試してみる価値が十分あると思います。
ハリネズミ(PD6W) says
コストの面からでしょうが、上側の基板は片面基板のように見えます。
半田付け強度としてはスルーホール基板に比べ大きく劣り、振動や外力によってよく問題が起きます。半田クラックによる断線が一番多く、たまに断線するので厄介ですが、分かっていれば半田付け部の亀裂は虫眼鏡等で見ればすぐに確認出来ます。
半田付け後の外力によって、銅箔(基板の基材に接着されているだけ)自体が浮いたり切れたりすることも普通にあります。車という振動が多い場所に適した基板とは言えないですし、材質も紙フェノールっぽく見えるので、場所によっては高温による影響も否定出来ないでしょう。
フラックスの変色は経年変化もありますが、高温状況下で変色することもありますよ。特に半田付けされている分品からの発熱とかで、そのこだけということもよく見ます。まぁ、何にせよ結露の可能性のある環境ですから、コーティングやポッティングは必要かと思います。
たけし says
ハリネズミさん
専門的で詳しいコメントありがとうございます。
こちらのエアフロセンサーは、吸気の上流に配置されていますが、排気管に近い側になりますので熱の影響が大きいのかもしれません。
この後、エアフロセンサーは随分小型になりました。
インプレッサ says
はじめまして。いつも楽しく読んでいます。
このエアフロ、スバル車で故障が頻発していた型と似てますね(同じ物?)
私も昔レガシーでこのエアフロが故障しました。
上記のアドレスは私のサイトでは無いのですが、やはりハンダがやられてしまうみたいですね。
たけし says
インプレッサさん
コメントありがとうございます。
ユニシアジェックス製のエアフロは、おっしゃいますとおりスバル車にも使用されていました。コネクタの形状や特性に差異が認められました。
高価な部品ですから、ハンダ修理されていることもあったと思います。
アキラ says
私の場合はSRエンジンで経験しました。SRエンジンは全く症状なくて、常時接続してたA/Fメーターで知りました。アイドリンク中だけ空燃比が薄く、後は全く通常通り。
このコンピュータはほとんどフィードバックとかしてないみたいてますね。
そのSRエンジンは、キースイッチのリコールがらみでのエンストが大変でした。
たけし says
アキラさん
コメントありがとうございます。
SRでご経験とのこと。エアフロ不調が症状として分かりにくいので放置されている事例が多いのかもしれませんね。