中古車で購入したんだけど、エンジンからガチャガチャと耳障りな音がするので、きっちり直して欲しいとのことで入庫した初代ダイハツ オプティ。
平成6年式 L300S EF(EFI) FF3AT 走行距離67,000km。
エンジンの音以外はとても調子がよく、古い車だけれどかわいいデザインなので、できることなら修理して乗り続けたいとお客様。
他の自動車整備工場で診てもらったところ、エンジン内部からの異音なので、相当な出費を覚悟してもらわないといけないと脅されて、それがほんとうなのか別のところで診てもらおうということで来店されたようです。
「ダイハツはオイルタペットがよく壊れるんですか?」
と専門的な部品名称がお客様から聞こえたので、びっくりしましたが、前に診てもらった工場でお聞きになった様子です。
さて、現状を確認します。エンジンを掛けると、アイドリングから激しい打音が聞こえます。回転を上げるとさらにノイズは大きくなりますね。
サウンドスコープを当てると1番シリンダのシリンダヘッド付近が最も大きく聞こえます。ヘッドカバーを取り外してバルブクリアランスを測定します。あんなに激しい打音がするほど狂いはありませんね。
しかし、バルブ系の異音には間違いなさそうですので、ロッカーアームを取り外して確認しました。
予想通り、1番吸排気ともロッカーアームのヒール部に激しい摩耗が確認できました。ロッカーアームシャフトの摩耗はありませんでした。本来ならロッカーアームを全数取り替えるべきなのでしょうが、目立つ損傷のない他のロッカーアームはそのままとしました。
新品に交換後、ダイハツの3気筒らしい静粛で力強いエンジン音になり、お客様も思ったより安く直って嬉しそうなご様子でした。