定期点検でお預かりしています、日産プレサージュとアルファロメオミト。
プレサージュはトランスファオイルが容量の1/3ほど、そしてミトはマニュアルトランスミッションオイルが容量の半分程度しか入っていませんでした。
不自然なオイル量が2台続く珍しい一日です。
ギアオイルは、エンジンオイルのような燃焼ガスに晒されるような環境にはありませんが、規定量より大幅に少ないのは大きな故障につながる可能性が非常に高く、点検まで特に不具合がなかったことは幸運でした。
プレサージュは3ヶ月前、僕が初めて行うATF交換で、規定量より随分多い抜き取り量を疑問に思っていました。オートマチックトランスミッションと、トランスファは隣接していますが、別室で、別オイルを注入しています。前作業者が、2箇所のドレーンから抜き取ったオイルの量を軽量し、オートマチックフルードだけを多めに注入したのかもしれません。外部には漏れ出した痕跡が全くみられないからです。
アルファロメオミトの方は、オーナー様からシフトフィールがあまりよくないことを伺っていました。そして、それはクラッチ交換後から、と。
これも推測ですが、クラッチ交換のためにトランスミッションを車両から離脱した際、ミッションオイルが漏れ出てしまい、搭載後に補充を忘れてしまったことが考えられます。こちらも全く外部に漏れ出した形跡がありませんでした。
初めての点検で拝見する自動車は、ギアオイル点検口(主にオイルフィラー)に一度も触った形跡の無いものがとても多い印象があります。使用過程で生じる不具合の他、人為的過誤も見逃さないよう、基本に則る定期点検の重要性を改めて感じました。
はがくれE says
何年か前、自分の作業全てに疑問を感じていた時期に、基本に立ち返る事が答えにつながるのでは?と思い、学校に通ってた頃の教本を読み返したことを思い出しました。中村勘三郎さんの「型があってこその型破り 型がないのはただの型無し」 って言葉に気づかされました。
たけし says
はがくれEさん
とてもよいお話をありがとうございます。基本が大切なことがわかっていてもなかなか実行するのは難しいものです。気を引き締めてがんばりたいと思います。