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プリウスα 法定12ヶ月点検(DAA-ZVW40)

複雑な電子制御システムを搭載するハイブリッドカーは、トヨタの生産技術だからこそ安全に成立していると言っても過言ではないでしょう。今回は法定12ヶ月点検でお預りしました。

平成26年式 DAA-ZVW40 2ZR-5JM 走行距離 22,000km

電気モーター制御の中核、パワーコントロールユニットにはエンジンクーラントと同一の液体が循環します(エンジン側のクーラントとは安定温度が違うため別回路になっています)。クーラントは主にIGBT(Inslated Gate Bipolar Transister, 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)の冷却を担うのですが、大電力高速スイッチングを行うIGBT、チップレベルからの製造を含むインバーターがトヨタ自動車内製というのですから、彼のメーカーの開発力は底知れません。そして、いずれ改良が進み、より信頼性を向上した空冷式になるのでしょう。

少し話は逸れますが、30系後期のプリウス頃からトヨタのハイブリッド車のインバータから発する磁励音に可聴域成分が多くなり特長的な音を発するようになりました。高速スイッチングが可能なIGBTを用いると変動周波数を可聴域の上限20kHz以上にすることが可能ですが、静か過ぎるハイブリッドカーゆえ、意図的に周波数を落として可聴域にしたものと考えています。

さて、ハイブリッドカーでも下回りは他車種と変わりなく、塩害が懸念される地域を走行される場合は、できるだけ新しいうちに防錆塗装を施すのが理想です。今回はお客様のご希望で下回り全面防錆塗装を施しました。使用する防錆塗料は、もちろん三菱扶桑のネオアクアコートクリア。

部品にマークされた各種ペイントやラベルの視認を妨げることなく、施工性と仕上がりに優れた良質のクリアー防錆剤です。

次に、タイヤの前後ローテーションを実施する前にホイールバランスを確認。

重量アンバランスはありませんでしたが、縦に振れているものがありましたので位相を組み替えて綺麗に回る位置に調整します。

結果的にバランスウエイトが少なくなる場合があります。

電子制御の点検には外部診断機G-sacnを使用し、異常がないことを確認。

そして、足回り整備のご相談がありました。新車装着のショックアブソーバの交換時期に実施するものですが、現在の乗り心地を感じるためにいつもの山坂道で試運転します。

アブソーバは前後ともTOKICO(日立オートモーティブ)製の非常にしっかりしたもので、高張力鋼多用の現在の自動車らしい適度なしなりと剛性感のボディーが魅力の7人乗りステーションワゴンです。

カーブ途中のバンピーな路面も難なく通過しますから、フロントストラット、リアトーションビームのシンプルなサスペンション構成もサスペンションチューニング次第なんだなと、改めて思います。社外のアブソーバも含めて検討するのが楽しみになってきました。

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