エンジン警告灯が点灯し、エンジン不調のプジョー307CCは、診断過程でイグニッションコイル不良が否定されました。
平成16年式 GH-A307CC RFN AL4 走行距離 85,000km
最初の診断結果にあった一時不調の1番インジェクタがやはり原因でしょうか?診断機の結果は一旦脇に置いて目視確認します。燃料残圧を抜いてからフューエルデリバリを取り外し、インジェクタ先端を観察します。
断線履歴のあった1番インジェクタはガソリンが濃縮されたような液体で汚れていて、しばらく噴射が滞っているような痕跡がみられました。
残る3本のインジェクタ先端はとても綺麗です。そして正常な3本のうち1本は特に新しく、過去に1本だけ新調したのかもしれません。
1番と2番のインジェクタを入れ替えて外部診断機の結果に何か反映されるか確認することにしました。
すると、
インジェクタ取り外し点検前の診断では出ていなかった1番インジェクタ断線の他、2番インジェクタ断線を現在進行で検出しています。2番シリンダに不調が移行しているのに、現在進行で1番シリンダのミスファイヤ検出していたりと支離滅裂…
診断結果に動揺する気持ちを抑えて作業を進めます。PP2000のメニューで、インジェクタのアクティブテストがありましたので、この状態で実施しました。
インジェクタの強制駆動音を聴診するものです。
不調のあると思われる2番に移動させたインジェクタからは何も音が聞こえません。
しばらくすると、「断線」との診断結果が表示されました。
では、1番に移動させた正常なインジェクタはどうでしょうか?
カチ、カチ、カチ…と10回の強制駆動音がはっきりと聞こえ、正常との診断結果を表示しました。エンジン不調の程度に変化が無いのに原因らしきインジェクタ断線を表示しなかったPP2000。再度全てのフォルトを消去してからエンジン始動して診断すると、2番に移動したインジェクタの断線を検出しています。
まずは1本のインジェクタを新調して状態の変化を確認しましょう。
《続く》
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