プリウスなど、トヨタのハイブリッドシステムのモーター制御部の中核的なデバイスといえるIGBT(insulated gate bipolar transistor)は、実はトヨタの内製です。
車載用デバイスはとても厳しい条件が要求されます。そんな厳しい要求に応えられる半導体デバイスのサプライヤが居ないからと、チップレベルから内製する技術を確立し、進化し続けるトヨタ。それは、戦慄を覚える底無しの技術力です。
その内製したパワーデバイスだけではありませんが、ガウス分布の裾を切り落としてでも、不良率をゼロにしたいという強烈な思想は、品質安定性で他社が及ぶはずもありません。
自動車産業向けの品質マネジメントシステムの技術仕様であるISO/TS16949の「TS」はTechnical Specificationですが、愛知県においてはToyota Standardsなどといわれるそうです。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、トヨタのハイブリッドのパワーユニットには水温の異なクーラントが、エンジン、インバータ、それぞれ独立して循環しています。
大電流高速スイッチングを司るIGBTも、小型化や電力損失の抑制技術が進み、近い将来、水冷式ではなくなるのでしょう。