24ヶ月点検と継続検査代行（車検整備）でお預かりしたスズキ キャリィ冷凍車。
平成17年式 LE-DA63T K6A 3AT 走行距離 211,000km
点検を進めると、室内の冷房、冷凍庫の冷凍器が全く作動しないことが分かりました。室内冷房と冷凍器は、大型のコンプレッサー単一駆動でサイクルを共通とし、必要に応じてバルブで冷媒流路を変更する少し複雑なシステムです。
最初、コンプレッサ近くの低圧バルブにゲージマニホールドを接続すると、正常圧付近を指していましたので、完全作動停止している理由を冷媒ガス以外に求めましたが、決定的なものはありません。
車両下部に配置された配管途中にもう一つの低圧バルブと、高圧バルブがあることに気が付きゲージマニホールドを接続するとご覧の指示値。冷媒ガス圧をきっちり計測せずに早合点していました。
コンプレッサ停止状態で低圧側、高圧側とも異常に高い数値を示しています。冷媒過充填の典型的な状態です。異常高圧検出で安全装置が働き冷凍サイクルを停止したようです。一度システムの全ての冷媒を抜き、規定量を再充填。完全に機能が回復しました。
冷媒は適量があります。冷えないからと過剰に冷媒注入する前に、蒸気圧縮冷凍サイクルの基本を知るのが先決かもしれません。
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