この特殊形状の品物は、アルファロメオやフィアットのタイミングベルト交換時に必須の治具です。カムシャフトとクランクシャフトの相対位置を正確に調整するために用います。
国産車のほとんどのエンジンは、このような微調整を必要としないので、同じようなレイアウトのタイミングベルト交換でも、輸入車と比較にならない短時間で作業が終了します。
楽器のようだと表現されるアルファロメオのエンジンは、構成する部品の較差を最終調整で吸収して、チューニングしようとする意図かもしれませんし、たとえば、オーバーヒートなどで歪んだシリンダヘッドを面研し、カムとクランクの相対位置が大きく変化した場合にも設計時のバルブタイミングに近づけられる配慮もあるでしょう。コスト高の大きな要因である「調整」を意図的に残しているように感じます。
イタリアやフランスの各社エンジンは、如何様にでも組み立てられますから、この結果を「当たり外れ」と勘違いされている例があっても不思議ではないのです。
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