24ヶ月点検と継続検査代行(車検整備)でお預かりしたダイハツ ハイゼットトラックは荷台部分に冷凍ボックスを搭載した特装車両です。
平成21年式 EBD-S201P KF-VE 3AT 走行距離 117,000km
三菱U61系や、スズキDA52、DA62系の軽バン、軽トラックは、共通構造のためエンジン整備は全て座席下で行うことができる整備士にとっては親切設計でした。
しかし、軽トラックの場合、前輪が座席下に配置されるショートホイールベース構造が最小回転半径が小さくなり、狭い畦道など農耕ユースでは特に使い勝手が良いとされています。
前輪が後方に位置すると、構造上、自ずとエンジン&トランスミッションも後方に位置します。ショートホイールベースの軽トラックのエンジン点検整備は、座席下からはアプローチ困難になるため、荷台前端に位置するサービスハッチから行えるようになっています。
ところが、お預かりした特装軽トラックは、簡単に移動できない冷凍ボックスがサービスハッチ上を完全に塞いでいるため、多くの点検整備は車両下から行う必要があるのです。
例えばオートマチックフルード(ATF)の抜き取りはこのように車両下からレベルゲージチューブから抜き取り、250ml容量の口の細い容器で繰り返し新油を注入します。
圧送チェンジャーを使用しないのは、トランスミッションごとに細かく区別されている油種が混合しない配慮です。気密性の高い冷凍ボックスの底面にサービスハッチを設けることは難しいのかもしれませんが、メンテナンスのたびに車両下から手探りで行う作業は大変です。
今後、車両下から手の届かないエンジン上部の整備の必要がある場合は、エンジンを一旦車両から離脱しなければいけないでしょう。スパークプラグの交換も大変ですが、今回はバルブカバーを離脱する作業もありました。