2015年元旦は記録的な大雪でした。フロントガラスに降り積もった雪をワイパーの力で掻き落とそうとしたところ、途中で動作が停止し、間欠・低速は全く作動せず、高速動作のみとなったしまったと、アルファロメオのワイパー修理のご相談がありました。
平成13年式 GF-932A1 V6 2.5 Q-system 走行距離 94,000km
高速動作が確保されているので、念のため確認しましたがヒューズ切れではありませんでした。過負荷の故障のパターンを調査するために、輸入車の故障事例報告数が桁違いに多い海外のフォーラムを中心にWebサーチします。同一車種でぴたりと合致した不具合事例は信憑性が高いので、故障診断の有効な手段と考えています。
↓海外の事例
http://wojtek-n.blogspot.com/2011/08/alfa-romeo-wipers-problem.html
こちらの内容では、モーター付近に配置されている摺動接点の焼きつきが原因のようで、分解清掃しています。さらに調査しますと、次は国内の事例で
http://minkara.carview.co.jp/smart/userid/1332833/car/978631/1834004/note.aspx
制御部が内蔵されたモーターを交換して完治したとありました。
そして、お客さまにご協力いただき入手したリサイクル品のワイパーモーターリンクASSYです。
マニエティ・マレリ製でした。
ワイパーリンクはワイパーアーム下の樹脂カバーを慎重に取り外すと露わになります。
同時に取り外せるエアコンフィルターも圧縮空気で大まかな粉塵を除去しました。
そして交換後、正常にワイパー間欠機能が復帰した状態です。
故障していた制御部を分解してみましたが、目視では故障箇所の特定ができませんでした。
車齢が10年を超過すると途端に部品供給が滞りだすイタリア車。今回のワイパーモーターの部品供給はまだありましたが、今後、機能を永続させるためにはリサイクルパーツ入手の手段を確立することが何より大切です。
国産車と比較して品質の面でいろいろ不安のある輸入車です。リサイクルパーツを扱う業者は非常に少なく、Web上で簡単に安価に入手できる現在においては、様々なリスクを包含してお客様に入手いただくのが最良の方法なのかもしれません。今回は、運良く一度の作業で修理が完了しました。お客さまのご協力に心より感謝申し上げます。
↓僕も読んでいるメンテナンスブックです。アルファオーナー様におすすめの書籍です。
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