半自動変速機セレスピードのクラッチ調整で変速が極めて円滑になったアルファ156 2.0TS。
平成13年式 GF-932A2 twinspark2.0 selespeed 走行距離 89,000km
変速時のクラッチの滑りは解消されましたが、アイドリング回転から3000rpmまでの低回転域でエンジン回転上昇がずいぶん緩慢で、軽快さが特徴のツインスパークらしさが感じられません。
ちょうどエンジンオイル交換でご来店された同型式、同年式のアルファ156(赤)のお客様の了解を得て、調子の違いを双方のオーナー様に交互に試乗、確認していただきました。
私も含めて3名の合致した意見は、赤の156は非常に軽快だということ。KYB Excel-G とイタリア本国仕様のコイルスプリングの組み合わせも車体に馴染んでいました。タイミングベルト交換時にバルブタイミングを適切に合わせてから、さらに軽快さが増したと赤の156のオーナー様はおっしゃいます。
一方、バルブタイミングの若干の狂いを差し引いても銀の156は、エンジン低回転域で元気がありません。調子が悪くなると、エンジンの回転フィールに大きく影響するフェーズバリエータソレノイドの動作をまずは確認します。
フェーズバリエータは吸気カムシャフトの位相を可変させる油圧機構です。ソレノイドへの通電は、パルスデューティーを変化させてプランジャーを目的の位置にフローティングさせているものと察します。
バリエータソレノイドの2極端子に直接DC12Vを印加したところ、内部に浸入していたエンジンオイルで動作を妨げられている様子がわかりました。この部品は小さなものですが、非常に高価です。
交換点検用にストックしていた良品を装着して軽快さを取り戻した銀の156、お客様にはしばらくこの仕様でお乗りいただきご判断を仰ぐことにいたしました。
↓僕も読んでいるメンテナンスブックです。アルファオーナー様におすすめの書籍です。