昨年、ステアリング操作が極端に重くなり応急処置を施したスマートK-carは、オーナー様の熱意と愛情が通じたようで、その後、概ね作動が良好とのこと。年始早々に車検整備のご依頼を承りました。
参考記事:スマートK ステアリングコラムシャフト交換の前に… (MCC Smart K-car MC01K)
平成15年式 GH-MC01K ゲトラグ6速セミAT 走行距離 65,000km
継続検査(車検)合格は、決して今後の好調の約束ではありません。車齢が10年を越える輸入車は、国産自動車と比較して脆弱な工業製品なのです。24ヶ月点検の結果、過剰な部品交換は控えることにしました。ただ、ブレーキオイルやクーラントなど、取り返しのつかない機械の劣化を招く液体の交換は実施します。
そして、スパークプラグです。初めて拝見するスマートは、スパークプラグ交換歴のないものが多く存在します。どうやら長寿命プラグが装着されていると思い違いをしている様子ですが、600ccのスマートのスパークプラグはNGK製の普通電極(接地2極)のツインスパークです(3気筒エンジンでスパークプラグは合計6本あります)。
リアのラゲッジルーム下からは3本交換します。おおよそ交換歴のなさそうな赤錆の浮いたスパークプラグが出てまいりました。
そして残り3本は、リアフェンダーとリアバンパーを離脱した奥…
ここに配置されています。
こちらも同様、円柱形だった陽極が、楕円柱に磨耗していました。
そして、助手席足元に配置されるバッテリーの点検で、カーペットに手を触れると、著しい湿りがありました。これは明らかに雨漏りです。浸入経路を特定するのは難しい場合が多いのですが、今回は水道水ホース散布で、フロントガラス中央下部の密着不良による漏水であることがはっきりしました。
これはシートカバーなどで防護できますが、修理する場合、ガラスの着脱は専門性の高い作業ですので、社外の専門業者に委託することになります。
そして、スモールランプ片側不点灯などのマイナー修理を経て、軽自動車検査協会の検査コースに持ち込みます。
無事車検合格し、2年の車検証有効期間が与えられました。
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