フォルクスワーゲン ゴルフⅣ を24ヶ月点検と継続検査代行(車検整備)でお預かりしました。
平成15年式 GH-1JBFQ 4AT 走行距離 59,000km
車齢が7年を経過した輸入車は法定定期点検よりも頻繁な点検が必要だと考えています。点検頻度を高くする一番の理由は、自動車の構成部品の樹脂、ゴム系の劣化が急速に進む時期だからです。
エンジンオイルレベルゲージのガイドチューブは根元付近に亀裂が入り、エンジンオイルがにじんでいます。
手で簡単に崩れるほど脆くなっていました。
エアインテークダクト分岐部の亀裂は前回点検時にテープで仮補修しましたが、
エンジンオイルのにじみが著しいので今回新品に。亀裂の入っていた場所は対策されて形状変更されていました。
経年劣化による部品の破損や、それに関連するトラブルを未然に防止する観点から輸入車整備のお見積りをしますと、交換推奨部品の多さにほとんどのオーナー様は驚かれます。国産車並みに車検から車検の2年間、トラブルフリーを目標に掲げるなら、膨大な量の部品を交換する正規販社のメンテナンススケジュールが正解なのです。
輸入車は、点検頻度を高くして、ほころびを一つ一つ丁寧に繕うようなメンテナンスがよいと考えています。交換時期には早すぎる部品を減らすことができて無駄が少なくなるだけでなく、オーナー様に愛車の状態をお知らせできますので、より関心をもって接していただけると思うからです。
消耗したディスクパッドの交換。
消泡性能が劣って、滴下すると泡立つクーラント。
電子制御系の点検も実施します。
まずはメンテナンスインターバルのリセット。前回点検から4200km走行、362日経過していました。
そして、カムポジションセンサーの一時的な不具合を記録していました。これはESP(横滑り防止装置)にも関連があるようで、ABSコンピュータに同様の不調を記録していました。
カムポジションセンサーは、破れてエンジンオイルが滴っていたエアインテークダクト直下です。樹脂で成型された同センサーは、エンジンオイルに晒されて劣化が早まったのかもしれません。
一時的な故障のようでしたので、今回は交換を保留し、経過を観察いただくことにしました。
ボディやサスペンションの剛性の高さや、座席の作りなど、国産車にはない素晴らしい魅力と、自動車を構成している樹脂部品のように国産車にはない脆弱性の、両面を感じて独車とお付き合いいただくと大変嬉しく思います。