「サイドブレーキの調整をしてほしい」と、お預かりしたのは今年の7月に24ヶ月点検(車検)を実施したスバル サンバーです。
平成17年式 LE-TV2 EN07 5MT 走行距離 176,000km
もちろん24ヶ月点検ではパーキングブレーキ機構の備わるリアのドラム式ブレーキを分解整備しますので、半年も経過しないのにサイドブレーキの遊びが大きくなるのは、異常発生のサインです。
お客様にはサイドブレーキワイヤーの交換など、調整では直らない旨ご説明申し上げ、まずは点検します。
サイドブレーキが極端に甘くなっていることと、フットブレーキの遊びが大きくなっています。サイドブレーキを掛けた状態で後輪を持ち上げ、ブレーキの掛かり具合を点検すると、左後ろが全く利いていないことがわかりました。
ブレーキドラムを離脱したところ、ポロッと何かが落下(汗)
これは、この部分に装着されているはずのパーキングブレーキ機構のリターンスプリングです。
対称になりますが、右側の状態です。写真中央にあるスプリングです。
繰り返し動作による金属疲労でしょう。片方のパーキングブレーキが作動していない状態は保安基準に不適合ですので部品を取り寄せ修理します。
継続的に拝見しているお車ですから異変に気が付きましたが、初めて拝見するお車で、サイドブレーキの調整依頼があれば、サイドブレーキレバー根元にある調整ネジで、片方のブレーキが適度に効く状態まで、間違った調整をしていたかもしれません。
金属片がブレーキ機構に噛み込むなど、危険な状況になる前に発見できてホッと胸を撫で下ろしました。多走行車の定期点検の重要性を再認識した事例でした。